自分の作品が落語になるというのは不思議な感覚である。小説が世に出るのとは全く違う。まるで別の生を与えられたよう。けれど「残る」という意味では同じ。ともかくこれで二作品目。桂三若という脂の乗った噺家が、磨きをかけて皆さんの前で口演してくれる。落語会開催は難しくないのでぜひお呼びを。
桂三若氏に渡した創作落語のネタおろし日が決まった。落語は磨いて磨いてようやく形になる。なので初回は粗いはず。だが産まれたての赤子。誕生の瞬間に立ち会いたい方は、ぜひご参加を。ちなみに私は観に行くかどうかまだ決めていない。平日の都内の夜の、となると帰りが大変なのである。続く。
タイトルをまだ書いていなかった。「マスターのおもてなし」。しかし原稿用紙40枚近い短編を覚えるというのは、それだけでも大変なはず。さらに登場人物を演じ分け、言葉だけで観客に「絵」を見せるのだ。まさに話芸である。ただ好きな方以外は生で接する機会がなかなかない。これが惜しい。続く。
創作落語を書くのはこれで二本目。今回のテーマは「おもてなしの心」。現代の下町を舞台にした人情噺で、世話好きな職人、口数少ない料理人、お喋りな近所の奥さんを出し、私流の「江戸の風」を吹かせてみた。もちろんそれだけではない。いつもの「笑って泣いて考えさせて」を存分に注入した。続く。
といえども小説ではなく落語。波長が合う演者がいなければ成立しない。波長とは価値観。その点で桂三若氏とはウマが合う。そして彼は今、脂が乗っている。とはいえ私は彼を、噺家ではなく「旅芸人」として見ている。もちろん賛辞である。ギターならぬ、扇子を持って全国をまわるアーティスト。続く。
電子版「千マイルブルース」は現在Amazonで審査中だが、これが通ればようやく一区切りとなる。それで次の作業だが、創作落語にとりかかる。桂三若氏に演じてもらうのだ。内容はバイクが出てくる人情噺。落語としても作品が残るというのは、物書きとして感慨深い。待っててくれよ、三ちゃん。