なにかを頼みとしては、それが折られた時、期待外れだった時に大いなる隙が生じる。 『斬殺者』での千手観音の教えのとおり、一つの手に心を止めれば残りの九百九十九が死んでしまう。 心に偏りを生じさせぬこと、ということについて少しずつ実感として分かってきた。