今日も雨で昨日も雨で、もしかしたら明日も雨かもしれないけれど英国紳士は傘をささないし私は自分の足で踏ん張り続けたい。
霞の広がる真っ青な海のどまんなか、この島が、大陸からも、港からも離れた絶景の中に浮かんでいて、そびえるビルディングや下町や、城壁で囲まれた中央庁舎やスラムや漁村や、東と西と、深海と、海、空、機械と魔法、あらゆる物が混在するこの不思議な島は、きっと誰の心にも一つくらいはあると思う。
海の上に浮かぶ人工島とそれらに住む町の人々。町には、遠い異国の彼方から商船や帆船に乗ってたくさんの人々がやってきて、この町に降り立ち、ある者は買い物をして、あるものはこの町を気に入り、ある者は海賊商売のためにこの浮島を根城にしようとたくらむ。