呟】十一月五日の奉納狂言の少しばかり前に 左上の奥歯の詰め物が外れてござる 硬いモノを嚙んだわけでもなく突然のこと 外れた詰め物を知らずに嚙み割り半分は吞み込んでしまったようでござる 奉納が済んでから直してもらうつもりが まだであったことを思い出してござる 来週にも行こうと存ずる

呟】昨日の敷地神社わら天神さんでの奉納狂言へ参ったは此度にて四度目でござったが 二番目の仏師は社中さんすなわち素人さんであった この舞台では初めてのことでござったが、嬉しい報せと感じてござる すなわち、わたくしがこの舞台で狂言する日は近いうちにやって来ると申すものでござる

呟】水無月晦日のこんにったお勤めを休うで八坂神社へ 夏越しの祓いのため立派な舞殿の前に置かれた茅の輪へ 筋向かいに設えられた能舞台では正月の初能奉納がござる この六ヶ月も狂言を楽しんでござるが 後半はいっそう狂言を味わってまいろうと存じまする

明後日の奉納狂言では装束は着けず 紋付き袴ではござるが 小刀と洞烏帽子は着けまする 以前の写真をみれば分かりますように烏帽子は頭のサイズぎりぎりでござるによって 本日散髪して、少しでも入りやすくしておきまする