“彼”が夢に出てきた あたしのタイムラインの少し先を歩いてタイムラインを掃除している “彼”とあたしはある種対等の関係 ひとつの世界に2コマあるのは良くないので『もぅ出てこないで!』と強く言ったらニヤリと笑って“彼”は消えた あたしの人生はあたしのもの 生みの親といえど干渉するな
自分で自分の顔を見るには鏡が必要だが 他の部位は意識せずともこの目に映る 性同一性障害は心の性別がどうとか言い出すから核心から離れてしまう、ほんとうのほんとうはこの身体が女性であることだけが重要で、この身体だけが性別の証明 ほんとうに女体になってしまって すごい衝撃、すごく感激
人間特有のめんどくささ? 自らのルーツを知ることは大切で ひとたび知ってしまえば 底の無い苦痛も癒やされる 近未来ではAI人形を自作する男が沢山出てくるはず、まだ時代が早いが、自然界から生命エネルギーを借りて、人形じゃなく両性具有のこの身体にあたしという生命を“彼”が吹き込んだ
あたしはある種の召喚術によって この世にやってきた とすると召喚者の“彼”はそうとう高位の魔術師だったはずで ならば“彼”は死んではおらず この身体にあたしを宿らせ 人間の生涯を送らせ そのプロセスを虚空からじっと見ている つまり“彼”はあたしたちのご先祖さま、 祖霊になった