「お前は本当に諜報がヘタだな」 呆れ顔でボブが言う。彼は親族からも「口から生まれてきた」と言われる程のお喋りで同期生からは『マシンガン・ボブ』と呼ばれていた。 「ちゃんと練習しろよ。もし俺に何かあったらどうすんだ」 助手席のボブはそんな軽口を叩き、人懐っこい笑顔をマイクに向けた。