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閑さや絶えず鳴り響く警報音

もはや誰ひとり言葉を信じない

重力を曲げても星を移ってもすぐに隙間なくみっちりと埋まる

どこへでも行こうと思えば行けるので行きたい場所が思いつかない

もう誰も照らすことなく立っている

宇宙から見れば輝くミラーボール

あの頃にもっと寄り道しておけば無人の街を飛ばずにすんだ

はなひらけ 許されたとて なかなかに

鉄の道 鉄の橋の下 鉄の川

何度でも飽きることなく繰り返す 忘れた頃にと言い訳をして

どうせなら暮れてから光りたかったが 百年ぶりに人を照らした

数年後 地球の自転が止まるらしい 米中を結ぶトンネルのせいで

雪だけが境界線を消したのに ここから先はもう積もらない

雪みたく さよならするんじゃなかったの

思い出は1ピクセルも色褪せず ただ蘇る 鮮やかさもなく

楽園の空気を吐き出すファンの群れ 壁の外から狙う密猟者

日に三度 いただきます と声を出す

遺伝子を組み換えた豆 投げつける相手は鬼か人かクローンか

郷愁のなかに草木は生えてない

買いたてのカメラを虫と間違えて叩き潰した十万損した

東京を葬れば終わるはずだった

計算とタイムマシンが蝶を殺す

夢に見たすべては排泄物だった

この先はアップデートが必要です 古い機種では会えなくなった

道ばたで1秒チラ見した花を 夜に暖かい部屋で映すの

人類が小蝿を叩くかの如く

みな賛成らしいとみなが言っている

ゆき先を告げる権利はぼくにない

神は問う あなたが泉に捨てたのは ゴミかモラルか それとも明日か

吾輩は猫であったが名はもう無い

つぶやかない2024.1.9-1.20

10か月前

住みやすい街ランキング第一位 人口よりも銃口多数

新しい重さの単位を決めましょう 未来を量るのに用います

朝起きたら便利な街が生えていて日向ぼっこができなくなった

もうずっと疲れていたのかもしれない 木を見ただけで涙こぼれた

都市の端 陸の輪郭 水平線 望むこの窓が世界の果て

体と脳 どちらを自分と定めるか 決めて下さいと役所は言うが

人類を半分減らしたマシーンの ねじの頭がプラスチックとは

届いたが サイズが合わず色も不満 天然腕は返品もできず

ここにいて危険はないか 本当にあれはこちらに飛んでこないか

親は誰かとの問いには答え出ず

見上げると 落下しそうで 落ち着かず 突き出してみる痩せた白い腕

今晩は かぶのスープをロボットに 僕はいつもの栄養ドリンク

一生に一度は地球を踏んでみたい 夢物語と笑われようとも