あゝ、書けないな 斜め上の宙空を見据へ 「椎の若葉」の 作者の様に- しみじみ、書けんよ 吾を追ひかけてみても 汗水が何滴か 取れる丈。 脳の中身をがらがら 音立て かき混ぜる… 糞味噌と変ず迄- しみじみ、消えたい ぼうつと霞んだ 黄昏どきに 紛れ、實體を消し果て。 ©都築郷士