「残響」 淋しさに慣れるほど、僕らは歳を取ったんだろう、 痛みを忘れたふりするくらい、 記憶を辿れど知った日のこと思い出せない、 幸福さという幻を、呪いにして背を撫でる、 海鳥鳴いて潮風切った、 初夏の日は、残響みたいに過ぎてゆく、 生きゆく四季は絹雨みたいに過ぎてゆく、