快手の有名KOL「辛巴」がライブコマースで偽物を販売した事件をご紹介します
皆さんこんにちは。エンジョイジャパンの橋本です。本日は、快手KOL「辛巴(シン・バー)」がライブコマースで偽物を販売した事件についてご紹介します。
まず、辛巴を簡単にご紹介します。彼は中国の動画アプリ「快手(クアイショウ)」で3,000万以上のフォロワー数を持ち、「李佳琦(オースティン)」、「薇娅(ウェイヤ)」と同じく中国で大人気のセールスKOLです。今年のW11で彼の販売実績は、なんと総売上高が88億元(約1,392億円)!今年は3.8倍も売り上げが伸びました。この数字を見ても分かるように、今中国で最も勢いのあるセールスKOLの一人です。
しかし、今年のW11で彼が偽物の「燕窝(燕の巣)」を販売したことが判明し、ネット上で大騒ぎになりました。
燕の巣事件
10月25日、辛巴は「茗挚(ミン・ジー)」というブランドの燕の巣をライブコマースで紹介しました。ちょうどW11のセール期間中だったため、15個入りで258元(約4,000円)という激安価格で販売されていました。元々高価な健康食品として販売されている燕の巣が、4,000円で買えるという安さに魅力を感じた消費者は多く、結果として総販売件数が57,820件、総売上は15,495,760元(約2億4,000万円)に達しました。
その後、11月5日に燕の巣が消費者に届きはじめ、試食した消費者が「燕の巣が全く入っていない、ほとんどがシロップだ!」とネット上にコメントを投稿し、それが大きな話題となりました。それを見た「打假人王海(偽物鑑定士・ワンハイ)※」という人物が、辛巴が販売した燕の巣を分析し、商品に含まれていたのはアルギン酸ナトリウムと乳酸塩カルシウムを化学合成したゲルシルクであることを突き止めました。つまり、販売商品の中に、燕の巣は含まれていなかったのです。
※打假人:ネット上で偽物や過剰アピール商品に対して鑑定をする人。打假KOLも存在します。
この事実が明るみになった後、辛巴は過剰に商品をアピールしたことを認め、謝罪しました。そして、賠償金として6,100万元(約9億6,000円)を消費者に支払うことを約束しました。
ライブコマースが主流になった現在、ショッピングが便利になった反面、騙されるリスクも高くなりました。例えばこのような店舗もあります。よく見ると、「商品発送は2か月後」と書いている店舗があります。書かれている理由は、2か月後に商品を紹介したライブコマースの動画が削除されるため、もし手元に届いた商品が瑕疵品だとしても、動画がないため証拠が残りません。このような事が日常茶飯事に起きている事を踏まえて、各ECプラットフォームは偽物販売に対して今後どのような対策を取っていくのか注目していきたいと思います。
以上、快手KOL「辛巴」がライブコマースで偽物を販売した事件のご紹介でした。気になることがありましたら、ぜひ橋本までご連絡ください。
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