映画『帰れない山』感想
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監督:フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン
【あらすじ】
都会育ちで繊細な少年ピエトロは、山を愛する両親と休暇を過ごしていた山麓の小さな村で、同い年で牛飼いをする、 野性味たっぷりのブルーノに出会う。まるで対照的な二人だったが、大自然の中を駆け回り、濃密な時間を過ごし、たちまち親交を深めてゆく。やがて思春期のピエトロは父親に反抗し、家族や山からも距離を置いてしまう。時は流れ、 父の悲報を受け、村に戻ったピエトロは、ブルーノと再会を果たし…(公式サイトより)
隅から隅まで、大好き。
北イタリアのひたすらに美しい山岳地帯はどこか懐かしく、キャンプしかなかった子供時代やA.ランサムのツバメ号シリーズの興奮を思い出す。しかも主役の男性2人はちょうど自分と同年代の設定。
夏の別荘で地元の少年ブルーノと過ごす美しい夏が描かれる冒頭は、とにかくすべてが完璧。夢の中の世界のよう。シェーディングも巧みで、とても現代に撮られた映像に見えない。(そもそもこの映画は不思議な画角で、ビスタよりも縦長の、昔のTVサイズのようだになってる)
2人がとある理由で10年以上の時を経て再会してから、大人の物語が動き始める。舞台は過酷な山岳地帯だが、描かれる主題は多くの人が思い当たる、人としての生き方の問題。多くの山登りが語る、山が教えてくれるアレやコレやの話が、本当に「これどうやって撮ったの」と思わせる凄いロケーションで説得力を持って描かれている。役者は全員素晴らしく、特に子役は超絶。どうやって演出してるんだろう。すごい。
ピエトロとブルーノ、そしてピエトロの父との関係に胸を締め付けられる思い。舞台は北イタリアでも、皆どこかに自分の周りの人間を思わせたり、山に対する思いが通じている人が何人も思い当たって、まるで自分がそこにいるかのように入り込んでいた。
痺れました。大好きな映画だ。
これはきっと原作で多くが語られているのだろうなと思いすぐに近所の本屋で購入。すぐ買えるなんて素晴らしい環境。この雪が降る週末に読みたかった。嬉しい。
映画は @ninnymoa の年間ベストから教えてもらった。ありがとう。
山好きの人なら有無を言わずに観るべき。
撮影裏話やプロダクション・ノート的なものがめちゃくちゃ読みたいのだが見つからない…パンフ買うしかないかな
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