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人事はキャリアコンサルタントと産業カウンセラー、どっちを取得する?

労務 Advent Calendar 2021、10日目の記事ですー。
まだまだ募集中!

こんにちは、労務&人材紹介をしているtakahashiです。

先日、労務コミュニティで「キャリアコンサルタントと産業カウンセラーの資格取得を検討しているがどちらがよいか?」という話題がありました。どちらも受講・資格取得した立場から感想をお伝えしましたが、そういえば両方受けた自分も違いを明確に言えと言われたらよくわかってなかったなと思いだして、初心に帰るべく色々メモしてみました。

自分もそうですが、周りから「こっち受けたほうがいいよ」というおすすめされて受講するパターンを見聞きします。事前に双方のカリキュラムを見て違いを比べてどっちが自分に合っているか?で選ぶ方は少ないかもしれません。ましてや受ける前に「違いなんて分かるか!」ってのもあります。
キャリアコンサルタントと産業カウンセラー。前者は国家資格、後者は民間資格ですが、どちらもベースの知見がない場合は養成講座に通って学科試験と実技試験を受験するものになります。

そこで、2つの養成講座と試験を受験・資格取得した感想を改めてアウトプットします。今後検討される方の参考になれば幸いです。

ぶっちゃけどっちがいいんですか?

やはりいつも聞かれることなので最初にお伝えしておくと、心理系・医療系資格をお持ちの方はキャリアコンサルタントの方をおすすめしますが、そうでない方は「好きなほうを受けてください」が私の回答になります。
自分は何が必要かこの資格勉強をすることで何を求めているのかをはっきりさせないとあまり意味がない資格だと思っています。手段と目的ってやつです。逆にそこが定まってないならお金を捨てるだけになってしまうので、人事職であれば、手始めに衛生管理者やメンタルヘルスマネジメント検定、放送大学で科目履修などしてみて、どの方面に自分が興味関心があるか確認をしてみるとよいと思います。1年くらい経つと臨床心理に興味があるのか、キャリア開発に興味があるのか、労働衛生(産業保健)に興味があるのか傾向が出てくると思います。

似ているようで違う、ふたつの資格

キャリアコンサルタント

国家資格であり名称独占資格でもあります。試験合格後に資格登録をしないとキャリアコンサルタントという名称は利用できません。
キャリアカウンセラーやキャリアアドバイザーなど似た名前がありますが、キャリアコンサルタントのみが名称独占の対象です。

職業能力開発促進法に規定されたキャリアコンサルタントでない方は、「キャリアコンサルタント」又はこれに紛らわしい名称(※1)(※2)を用いることができません。これに違反した者は、 30 万円以下の罰金に処せられます。
(※1) 紛らわしい名称としては、「キャリア・コンサルタント」、「キャリアコンサルタント○○(キャリアコンサルタント専門士等)」、「キャリア○○コンサルタント(キャリア形成コンサルタント等)」、「○○キャリアコンサルタント(職業キャリアコンサルタント等)」、「○○キャリコン(標準キャリコン等)」、「キャリアコンサル」等があげられます。
(※2) いわゆる標準レベルのキャリア・コンサルタントであった方についても、キャリアコンサルタント名簿に登録しなければ、「キャリアコンサルタント」と名乗ることができませんのでご留意ください。

2021年10月末現在の登録者数は59,058人です。

産業カウンセラー

こちらは民間資格です。主催団体の日本産業カウンセラー協会の登録商標となるため、産業カウンセラーと名のるには試験に合格&資格登録が必要です。
旧労働省時代には技能審査だったこともあり公的資格となっていましたが、現在は対象から外れているので民間資格となっています。

 産業カウンセラー試験に合格された方は、当協会に登録を行うことにより、協会認定「産業カウンセラー」として「産業カウンセラー」の資格呼称を使用し活動することができます。

産業カウンセラー試験は1971年から始まり、現在、全国で6万人以上の方が資格を持ち、活動されています。

具体的に何が違うの?

どちらもカール・ロジャースの来談者中心療法をベースにしたカウンセリング(技術・技法)を学ぶものです。実際に演習・実習として何をするかというと「傾聴」の訓練を行います。
通信&通学型だと知識は通信で演習は通学でが主になります。キャリアコンサルタントは理論も座学があったかも。

産業カウンセラーはその名の通り働く人がカウンセリングの対象になりますが、キャリアコンサルタントはこれから社会に出る学生も対象としているところが大きな違いです。しかし養成講座ではキャリア教育の話はあまりやらなかった記憶。

キャリアコンサルタント

養成講座ではキャリアコンサルティングを行うための理論や技法、倫理、社会的意義について学習します。私が受講した当時の養成講座のメンバーは人材サービスや人事(採用寄り)・研修の担当者がいました。

産業カウンセラー
養成講座では(産業)カウンセリングを行うための理論や技法、倫理などを学びます。
私が受講した当時の養成講座のメンバーは逆に、人材サービスや人事担当者は労務寄り、人事へキャリアチェンジしたい事務や秘書の方、大学のキャリアセンターの方がいました。

受験資格・合格者数

キャリアコンサルタント

①厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者(筆者注:養成講座のことを差します)
②労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
③技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
④上記の項目と同等以上の能力を有する者

試験機関は、キャリアコンサルティング協議会と日本キャリア開発協会の2つで学科試験は同内容、実技試験はやり方が若干異なります。FPの実施機関の座組みと似ている感じです。
①の養成講座は厚生労働省認可で様々な団体が提供しているため受験者の多数を占めますが②③の受験者もいます。

第17回キャリアコンサルタント試験結果の概要

実施団体別はこちら
キャリアコンサルティング協議会 試験結果データ
日本キャリア開発協会 試験結果データ

産業カウンセラー

①養成講座の受講
②「学士」4年生大学卒業&心理学系指定単位取得+講座終了
③「修士」大学院修了&心理学系指定単位取得または、社会人経験通算3年以上&大学院修了&心理学系指定単位取得
※以前は心理学系卒の単位+講座受講で「学士」という区分がありましたが現在はなし
※「修士」資格での受験は個別に受験資格判定が必要です

①と③の区分に集約されますが、①での受験者がほとんどなのではないかと思います。③は実質的に臨床心理士や公認心理師の取得ルートとなるのでわざわざ産業カウンセラーのダブルライセンスを取得する必要がないでしょう。
また、民間資格のため試験実施機関と養成講座開催機関はともに日本産業カウンセラー協会です。

産業カウンセラー試験 合否結果について

試験開催日・受験料

いつ受けられるか?のタイミングも大事です。
どちらも試験実施日程に合わせた養成講座が開催されています。
こうやって見ると改めて受験料の高さに驚きます。面接試験がロールプレイング(1on1)形式で人件費かかっているからしょうがないと言えばしょうがないですが、社労士試験が9,000円→15,000円になったのもまだまだかわいいものだったのね…と思ってしまいます。

キャリアコンサルタント

3月、7月、11月の原則年3回実施です。
学科試験は実施団体双方とも同日ですが、実技試験(面接)は各実施団体が設けた日程での開催となります。また、実技試験(学科試験の2~3週間後)は受験者間でも日程が異なります。実技試験は論述と面接に分かれており、論述試験は学科試験と同日(午後)に行われます。
※試験の申込期間も若干異なるのでどちらで受験するかも重要です。
受験料 (2021年12月現在)
学科:8,900円
実技(論述・面接):29,900円
キャリアコンサルティング協議会
日本キャリア開発協会

産業カウンセラー

2020年から毎年1月、7月の年2回実施です。
学科試験を先に実施し、1~2週間後に実技試験が行われます。
※養成講座で一定基準をクリアすると実技試験免除になります。
受験料(2019年受験当時)
学科と実技両方:約36,000円
学科のみ:約25,000円
日本産業カウンセラー協会

試験科目と合格基準

キャリアコンサルタント

学科試験と実技試験(論述・面接)があります。
学科は100点満点で70点が合格ライン。実技は足切りがあったりするのでリンク先をご覧ください。(基準や配点は各試験実施団体とも共通です)
1日目の午前に学科、午後に実技(論述)を行い、数週間後に2日目の実技(面接)が実施されます。もし、実技試験不合格だと2回目の試験は午後の論述と数週間後の面接の両方をやらないといけないので実技は1回で合格するほうが楽になります。

キャリアコンサルティング協議会 試験形式
日本キャリア開発協会 試験区分/出題形式

産業カウンセラー

民間資格なので実はあまり情報がないんですよね。
試験科目は学科(1・2)と実技(面接)です。学科2はキャリアコンサルタント試験でいう論述に近いものです。受験した2019年は学科は確か70点くらいが合格点だった記憶です。当時の受験票が出てきたのですが、学科試験が休憩時間挟んで実施されていたので2つに分かれていました。前半は択一の問題で、後半は逐語録・対話分析を読んだような気が。(2022年実施から学科受験内容に少し変更あり?
そして実技に至っては、実技免除になったので試験での合格基準は不明です。実技試験を受験した友人は「面接が20分くらい」と言ってました。
産業カウンセラーは実技免除をもらった方が金銭的にも時間的にも余裕ができるので養成講座で頑張ることをおすすめします。

継続のための費用

それぞれ試験に合格したあと、名称を利用するためには登録が必要です。
また、5年ごとに登録更新が発生します。

キャリアコンサルタント

国家資格の新規登録費用が必要になります。
登録免許税:9,000円(収入印紙)
登録手数料:8,000 円(非課税)

5年後の更新時は
更新手数料:8,000円(非課税)がかかります。

また、更新の要件として講習の受講が必要です。
知識講習:8時間
技能講習:30時間
※技能士2級取得で次回更新講習免除、技能士1級取得で毎更新時の講習免除

キャリアコンサルタントの登録を継続するためには5年ごとに更新を受けることが必要となります。更新を受けるためには、以下の厚生労働大臣の指定を受けたA及びBの講習を受ける必要があります。

ここで上記時間分をすべて講習で埋めようとすると10万円くらいかかってしまうので技能士を取りに行って免除を狙うか、10時間まで実務従事が認められるのでそれを利用するか悩ましいところです。

上記は、国家資格登録に関する費用なので養成講座の団体へ加入する場合はは別途年会費等がかかります。GCDFとかJCDAとか。

産業カウンセラー

合格時に資格登録で日本産業カウンセラー協会の個人会員となります。
例)4月からの会員 ( 4月1日~翌年3月31日)
登録料(入会金):7,000円
年会費:10,000円

5年後に更新が発生します。
更新料:1回3,000円/あわせて年会費が必要。

また、更新要件として、更新研修6時間を受講するか、協会が開催する対象のみなし更新講習6時間分を受講することが更新要件となります。

さらに上級へ進むためには

それぞれの資格には上位資格が設けられています。

キャリアコンサルタント
国家検定 キャリアコンサルティング技能検定(1級・2級)

「キャリアコンサルティング技能士」とは、キャリアコンサルティング技能検定(国家検定)に合格した方をいいます。キャリアコンサルティング技能検定では実務経験年数が受検要件として設定されており、キャリアコンサルティング技能検定が求める能力水準は、キャリアコンサルタント試験が求める能力水準の上位に位置づけられます。具体的には、キャリアコンサルティング技能士1級は指導レベル、2級は熟練レベルとして位置づけられています。
 キャリアコンサルティング技能検定試験は、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会が、厚生労働大臣から指定試験機関としての指定を受けて実施しています。

産業カウンセラー
シニア産業カウンセラー

産業カウンセラーに必要な技能や能力としては、まず基本として1 対1 の対面によるカウンセリング力が必須です。さらに企業という限定された場だけではなく、様々な「働く現場」で必要とされている専門性の高い、 実務経験に基づく対応ができる人材であることが求められます。日本産業カウンセラー協会ではそのような人材の育成を推進し、一定のレベルに到達したと認められた方に、産業カウンセラーの上位資格として「シニア 産業カウンセラー」の資格を付与しています。

養成講座と教育訓練給付金

お金と時間、大事です。
2021年12月現在公開されている内容で違いを比較します。

大きな違いはキャリアコンサルタント養成講座は専門実践教育訓練の対象で、産業カウンセラーは一般教育訓練の対象で給付率が異なります。それによって給付の要件も異なるので要確認です。

キャリアコンサルタント養成講座
専門実践教育訓練給付金指定講座あり
各実施団体で様々な養成講座が出ています。(2021年12月現在で専門実践教育訓練給付制度が利用できるのは18団体)

受講期間:3ヶ月~6か月(期間は異なりますが学習する範囲は同じです)
実施方法:通信(e-learning)・通学ともにあり
受講料:30~40万円(団体によって異なる)

受講料に結構差がありますね。
キャリアカウンセリング協会396,000円
日本マンパワー374,000円
日本産業カウンセラー協会330,000円
テクノファ311,300円 
LEC東京リーガルマインド302,500円
大原学園300,000円

産業カウンセラー養成講座
教育訓練給付金対象講座あり
6か月コースと10か月コースがありますが学習内容は同じです。
受講料297,000円

養成講座カリキュラムの違い

通信やe-laearning併用型でも実習・演習は対面やzoomで行います。

キャリアコンサルタント150時間(講義その他80時間演習70時間)
産業カウンセラー189時間(講義その他85時間演習104時間)

私が受講したのは、キャリアコンサルタント2016年、産業カウンセラー2017年でした。当時から比べるとキャリアコンサルタントは専門実践に指定されたこともあり30時間近く増えたかも。受講当時はキャリアコンサルタントは比較的座学がある印象でしたが、今はどうなんでしょうか?逆に産業カウンセラーはロープレと逐語ばかりしていた思い出があります。
受講した印象として、キャリアコンサルタントはキャリアコンサルティングの展開をふまえてテクニック寄り、産業カウンセラーはとにかく傾聴を何度もやって慣れて体で覚えるほうに寄った感じです心理療法やアセスメントはテキストのみです。ロープレの時間は産業カウンセラーの方が長くて他のグループとの交流もありました。講師によって教え方が全く違うというのもここで体験しました。

キャリアコンサルタント養成講座
キャリアコンサルタントのカリキュラム(範囲)は決まっていて、全体の半分以上を通学の方法によって行うことが定められてます。
演習を含めた80~90時間程度を通学に設定する講座が多いようです。

キャリアコンサルティングの社会的意義:講義2時間
キャリアコンサルティングを行うために必要な知識:講義2時間
キャリアコンサルティングを行うために必要な技能:講義16時間、演習60時間
キャリアコンサルタントの倫理と行動:講義17時間、演習10時間
その他キャリアコンサルティングにかかる項目:10時間
合計150時間

ちなみに産業カウンセラー養成講座を実施する、日本産業カウンセラー協会のキャリアコンサルタント養成講座
スクーリング:講義および実習(12日間・84時間)
通信 (在宅学習):テキストとe-Learningによる在宅学習(69時間)

産業カウンセラー養成講座

1.面接の体験学習(カウンセリング演習)104時間、通学
2. 1に関する課題学習6題 28時間相当、ホームワーク 
3.Web配信講義視聴 44時間相当、e-Learning
4.理解度確認テスト 13時間相当、e-Learning 
合計189時間

人事とキャリアコンサルタント、人事と産業カウンセラーの狭間

まず大前提として、どの資格も倫理綱領で「二重(多重)関係」はよろしくないこととされています。二重(多重)関係とはなんでしょうか?

キャリアコンサルティング協議会 キャリアコンサルタント 倫理綱領
日本産業カウンセラー協会 倫理綱領

例1)ある会社で人事担当のあなたはキャリアコンサルタントの資格を取得したのでセルフキャリアドックの開設を推進しました。キャリアコンサルタントとしても手を挙げて、社員のキャリアコンサルティングも兼務で行っています。

例2)ある会社で人事担当のあなたは産業カウンセラーの資格を取りました。社員から度々相談を受けることがありましたが、人事部員として手続きや事務的な受け答えが主でした。しかしだんだんと相談の頻度が上がり心配になって個人的に次回面談の約束もしてしまうようになりました。

人事と社員という立場がある以上、コンサルタントorカウンセラーとしての立場で接することはNGということです。そのため、外部の産業保健スタッフやEAPカウンセラーにお願いしたりするわけですね。なので、人事としてこれらの資格を取得をして何かをするには、人事という立場を捨てると言ったら大袈裟ですがどこかへ置いていかないといけない可能性がある訳です。

引き続き人事という立場を継続する場合は、やはりキャリア開発やメンタルヘルスの知見を身につけるという意味での養成講座の受講や資格取得は有用です。もしくは一朝一夕では身につかない傾聴力を身につける場として行くか。資格取得後も引き続き講習を受けたりしないといけないので意欲を保持するためにもそこはある程度明確にしてから行った方が良いと思います。

資格取得したから在籍する企業で活用したいと考えているなら、今後の展開の仕方を考えてから受講されることをおすすめします。とくにキャリアコンサルタント試験では面接でこのあたりを将来の展望といった形で聞かれます。

あとあと、私が聞いた範囲内で「○○は変な人が多かったからあっちの資格の方がいいよ」と言う方はいましたし実際に言われました。受講を始めてから今までの実体験としては「すでにハラスメントっぽくみえるけど大丈夫?」とか、「自分がやらないといけない」と使命感にかられた方や「自分が救われたから救う側に行きたい」とか重いものを背負っているように見受けられる方は確かにいらっしゃいました。ミイラ取りがミイラになるではないですがそこは資格を持つ以上は常に気を付けないといけないところです。

そして、キャリアコンサルタントの方から「面談後はお土産を持って帰ってほしい」という趣旨のことをよく聞きます。コンサルティングというだけあって、何かを提案してそれを持って帰ってもらうという感じでしょうか。コーチングだと大体目標を設定されちゃうのでそれと似ているのかな。
産業カウンセラーの方はお土産とか宿題は1回では出てこない(出さない)という印象です。もちろんカウンセリングプロセスが進めば次の面談までにやってほしいことが発生するかもしれませんが、ワンタイムであれば相手の話を聴くとか、どれだけ話をしてもらえるかということが念頭にあるのかなと思ってます、というのが私の解釈。
カタルシス効果をお土産というかどうかは微妙なところですが、話してすっきりした、というのも大事なことではないかなと。キャリアコンサルティングではあまり重視されていないかもしれませんが。

ただお土産が欲しい方もいるのは事実なので、コンサルタント・カウンセラーとの相性問題はやはりあります。

人事ならどちらを取得する?

と、長々と書いてまいりましたが、結局どちらを受講・取得しましょうか?

あくまでも人事という範囲での個人的な感想ですが……
従業員対応が多い方(特に労務)は産業カウンセラー
まずは傾聴が大事ということで
組織対応が多い方はキャリアコンサルタント
→会社の方向性と従業員の方向性のすり合わせもあるので
採用担当はキャリアコンサルタント
→応募者のキャリアを確認するということで

キャリアコンサルタントの内容はあくまでもキャリアコンサルティングをベースにしているので、知識としてはマイナスをゼロにするよりはゼロをプラスにする考え方をインプットされます。
産業カウンセラーの方は産業保健スタッフや外部のEAPカウンセラーとの連携を前提としているので、逆にマイナスをゼロにする解決を前提とした考え方をインプットされます。

また、意外だったのが労働法規については産業カウンセラーの方が解説が多かったですね。産業保健スタッフはキャリアコンサルタントをおすすめ…なんて言いましたが、労働法規についてはぜひこの機会にご一読を!

欲を言うのであれば、産業カウンセラー→キャリアコンサルタントで両方取ってしまえ、なんですけど、受講料が高いのであまり現実的ではないですよね。何か取得したい!のであれば、労務は産業カウンセラー、労務以外ならキャリアコンサルタントでしょうか。

ほかにもインプットする方法はある

最初に「どっちでもいい」なんて言いましたが、高額な受講料を支払う前にやれることはまだまだあります。

衛生管理者
労務担当者必携ですね。安全衛生を語るならぜひ。

メンタルヘルスマネジメント検定
Ⅲ種セルフケア、Ⅱ種ラインケア、Ⅰ種マスターコースとあります。
Ⅰ種は論述問題があるのでなかなか侮れません。(合格率20%前後)
Ⅱ種を取得しましたが、メンタルヘルス全体を確認するのに良いものでした。

放送大学科目履修生
自己啓発系の本で心理学を学ぶならアカデミックにいきましょう。
キャリアコンサルティング概説(’20)
産業・組織心理学(’20)
雇用社会と法(’21)
今日のメンタルヘルス(’19)
睡眠と健康(’21)
人体の構造と機能(’22)
疾病の成立と回復促進(’21)
精神疾患とその治療(’20)
発達心理学概論(’17)
心理臨床と身体の病(’16)
心理カウンセリング序説(’21)
心理職の専門性(’20)

社会保険労務士
これを忘れてはいけないですね。


ただ、これらは知識のインプット主体なので、身体で覚えたい場合は養成講座に通うか、大学(院)へ通うかになります。

最後に

勉強するにはお金も時間もかかります。労務の現場にいるということは、現場で学べるものも多くあります。
私自身は特に人事や労務の仕事を体系的に学んでこなかったのでこれならできるかなとかプラスになりそうなものを手当たり次第にやってきました。これでよいのか悪いのか正解はわかりませんが、今現在人事労務の仕事やキャリアに携わる仕事ができているということはあながち間違いではなかったと思っています。財布はだいぶ痛みましたが!

あとは社労士試験に受かるのみです。
来年のアドベントカレンダーで良い報告ができるよう頑張ります。
ではまた来年。


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