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田舎の小さなお箸メーカーが世界に挑み続ける3つの理由。


お久しぶりです。ヤマチクの三代目、山崎彰悟です。
株式会社ヤマチクは、熊本県の南関町という田舎町で、「竹の、箸だけ」を58年間作り続けている小さなものづくり企業です。

竹のお箸がどうやって作られているか気になる方は、こちらの素敵なコンセプトムービーをぜひご覧ください。

そんなヤマチクが、初めて作ったプライベートブランド「okaeri」

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「竹のお箸を、もういちど日本の食卓へ」
お箸の原点回帰をめざして2年前に作ったブランドをきっかけに、ヤマチクの竹のお箸の認知度は少しずつ上がってきております。
ブランドのコンセプトや、ブランドを作った経緯が気になる方は、こちらのnoteも併せて読んでいただけると嬉しいです。

この度、okaeriが「第100回ニューヨークADC」のパッケージデザイン部門で入賞しました。

「ニューヨークADC賞」は、1920年に創立されたアート・ディレクターズ・クラブ(ADC)が、商業広告やデザインを美術品と同様の評価軸で表彰する世界で最も歴史のある広告・デザイン賞です。
https://www.adcawards.org/

どのぐらい栄誉なデザイン賞なのかは、2017年からヤマチクのクリエイティブディレクションをしていただいている佐藤かつあきさんのnoteをご参照ください。
※地方クリエイターやリブランディングを検討している地方の企業さん必見のnoteです!


海外のデザイン賞の受賞は、アジアの「TOP AWARDS ASIA」、イギリスの「Pentawards」に続いて今回で3回目です。

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熊本の田舎町で「竹の、箸だけ」を作る小さな箸メーカーである私達が、なぜここまで世界的なアワードの獲得にこだわるのか。
実はちゃんと理由があります。


理由その1 「Made in Japan」に慢心しないために。


厳正な審査があるアワードの受賞は客観的で分かりやすい評価指標です。
特に海外の有名なデザイン賞ともなると審査も大物だし、多様なバックグラウンドを持った方々の厳しい目にされされます。
その狭き門をくぐり抜けて受賞した商品は、お客様も「いいものなのね」と安心して買ってくれます。特にバイヤーさんからの反応が良くなりました。

ちなみに海外のデザイン賞の獲得を契機に海外からの問い合わせも増えてます。
今年の1月から韓国・イタリア・スイス・アメリカ・イスラエルへ竹のお箸を送ってます。

これは僕の個人的な感想ですが。
ヤマチクのお箸も含め、日本の工芸品は国内評価で言えば「下駄を履いている」と思っています。「日本の伝統工芸」や「日本のものづくり」を悪く言う日本人はいません。(買うか買わないかは別の話ですが。)

だからこそ、国内での評価に慢心しないように、「日本ではお馴染み」が通用しない海外のアワードに挑戦しています。
「Made in Japanなら無条件に売れる」という幻想に溺れないために。

たかが箸ですが、使い心地やデザインにはストイックでありたいんです。
これは「くらしの道具」を作り続けてきた私達の意地ですかね。笑
誰も気に留めないようなモノでも決して手を抜かないのが、「日本のものづくり」の素晴らしさだと思うので。

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理由その2 商品への「思い」を育むために。


これまでヤマチクは国内外のあらゆるアワードに挑んできました。

▽にっぽんの宝物グランプリ2019 工芸部門 準グランプリ
▽TOP AWARDS ASIA2020 入選
▽Pentawards2020 銀賞
▽Omotenashi Selection2020 金賞
▽ソーシャルプロダクツアワード2021 ソーシャルプロダクツ賞
▽ニューヨークADC パッケージデザイン部門 入賞 ← NEW!!
などなど

当然、その都度エントリーシートを書いているわけですが。
書くたびに、商品の推しポイントやコンセントの説明が洗練されています。
(最初に書いたエントリーシートは今見るとヒドい。笑)
ヤマチクは、お土産系からデザイン系、ソーシャル系まで幅広いジャンルのアワードにエントリーしてます。その結果、1つの商品をあらゆる切り口で語ることができるようになりました。

これはアワードのエントリーシートに限ったことではありません。
商談や展示会では、お客様のニーズを伺いながら多様に説明を変えることができます。展示会でヤマチクのブースをご覧になられた方はわかると思うのですが。
訪れるたびに接客内容が違います。
※ヤマチクの接客が気になる方はぜひ「大日本市」へ。笑

これはその場で考えているわけではなく、自社のこと、そして自社の商品のことをあらゆる視点から日々見つめ直している成果です。
これを繰り返す度に、商品への「思い」というか、愛着が強くなっていきます。

コロナ禍で、自社ブランドを作るメーカーは今後一層増えていきそうです。
競争は激しいし、成果を焦る気持ちもすごくわかります。
でも、自社ブランドは「作って終わり」ではなく「育んでいくもの」だなぁと最近しみじみ思ってます。

理由その3 「自慢」になるために。


そもそも「okaeri」を作った目的は、竹のお箸作りに関わる全ての人に物心両面のやりがいを与えることです。

竹を切ってくれる切り子さんや、社員さん達みんなが稼げる仕事に早くしたいのですが、それはもう少し時間がかかりそうで。苦笑

でも精神的な「やりがい」は、こういうアワードの受賞で少しは与えられているのかなぁと。正直「でざいんしょー?」とピンと来てない人もいるのですが。笑
それでも「自分達の仕事が世界から評価された!」とみんな喜んでくれています。

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国際的な賞を獲得すると地元メディアからたくさんの取材をしていただけます。「TVに出る」「新聞に載る」「地元の広報誌に載る」は、やはりみんな嬉しいようです。田舎だとなおさらです。一躍有名人ですから。笑
特に竹を切ってくれている切り子さんは、「孫に自慢できる」と大喜びしてくれています。それが一番うれしいです。

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お箸づくりに関わる人達の「自慢になる」ことと同じぐらい、地元の人の「自慢になる」ことも大事だと思っています。
ヤマチクがメディアに出る度に、地元の方々がお箸を買いに来てくれています。
これがたまらなく嬉しいです。最近では「南関町民のギフトの定番になりつつあるのでは?」と思うぐらい、贈り物でヤマチクの箸をご購入頂いてます。

「南関町には南関あげと南関そうめんと南関インターチェンジしか無かもんね。」

以前そういう自虐的な言葉を聞いて、ちょっとさみしい気持ちになりまして。
ヤマチクが「南関町にいながら世界と戦える会社」になれば、喜んでもらえるかなぁと。笑

南関町も、例にももれず少子高齢化が進む過疎地域です。
南関町で「おもしろい仕事」「稼げる仕事」を創りあげないと、本当に若い人たちいなくなっちゃうという焦燥感はずっと抱いてます。
100年後も「竹の、箸だけ」を作り続けることができるように、「自慢できる仕事」「自慢できる商品」になれるように頑張ってます。
世界的なアワードへの挑戦もその一環です。
「田舎にいても、小さな会社でも、世界と戦える」と証明するために。
転職や移住、いつでも大歓迎ですよ!笑


まとめ

長々と書いてしまったわけですが。何が言いたいかというとですね。

アワードへのエントリーは、「愛」を試す絶好の試金石ということです。

会社への愛。
仕事への愛。
商品への愛。
関わる人への愛。
そして地元への愛。

その愛が本物なら、国境に関わらず評価が得られると僕は信じています。

「あくまで結果論じゃん」って言われるかもしれませんが。苦笑
ただ1つ確実に言えることは。

「エントリーしなきゃ、可能性はゼロ」だということです。

「めんどくさい」に負けないで。笑

世界が認めたヤマチクの「愛」
父の日のプレゼントやお中元にいかがですか?


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