TM-3.4.1(K3)レビューで使用するプロセスメトリクスとプロダクトメトリクスを定義する。


レビューでメトリクスを使用する目的

レビュー対象アイテムの品質を評価する

レビューは、ソフトウェアの品質を向上させるための重要な活動です。レビューによって発見された欠陥を修正することで、ソフトウェアの品質を向上させることができます。

レビューの品質を評価するためには、発見された欠陥の数と重要度を測定する必要があります。また、レビュー対象の成果物サイズと欠陥密度を比較することで、レビューの効率を評価することができます。

レビューを実施するためのコストを評価する

レビューを実施するためには、レビューリーダやレビューアの工数、準備時間、レビュー実施時間などのコストがかかります。

レビューのコストを評価するためには、これらのコストを測定する必要があります。また、レビューによって発見された欠陥を修正するためにかかるコストと比較することで、レビューの費用対効果を評価することができます。

レビューを実施したことによる下流段階への利点を評価する

レビューによって発見された欠陥を修正することで、下流段階でのテスト工数やバグ修正工数を削減することができます。

レビューの利点を評価するためには、レビューによって発見された欠陥の数と、下流段階でのテスト工数やバグ修正工数の削減量を比較する必要があります。

プロダクトメトリクス

プロダクト評価用メトリクスは、レビュー対象の各成果物に対して測定します。具体的には、以下のメトリクスを測定します。また、プロダクトメトリクスはプロセス評価にも役立つ。

  • 成果物のサイズ(ページ数、コードの行数など)

  • 準備時間(レビュー前に費やした時間)

  • レビューを実施するための時間

  • 欠陥を解決するための再作業時間

  • レビュープロセスの期間

  • 発見した欠陥の数とそれらの重要度

  • 成果物内の欠陥の偏在(欠陥をより高い密度で発見する領域)の識別

  • レビューのタイプ(非公式レビュー、ウォークスルー、テクニカルレビュー、またはインスペクション)

  • 平均欠陥密度(たとえば、ページ当たり、またはコード1,000行当たりの欠陥数など)

  • 推定残存欠陥数(または残存欠陥密度)

プロセスメトリクス

プロセス評価用メトリクスは、各レビューに対して測定します。具体的には、以下のメトリクスを測定します。

  • 欠陥検出効率(以降のライフサイクルで発見する欠陥を考慮)

  • レビュープロセスの活動とタイミングの改善

  • 計画した成果物を網羅している割合

  • 発見した欠陥の種類とそれらの重要度

  • レビュープロセスの効果と効率性に関する参加者調査

  • レビューで発見した欠陥と、動的テストおよび運用時に発見した欠陥の比に関する品質メトリクスのコスト

  • レビュー効率の相関関係(レビューのタイプと欠陥検出効率)

  • レビューア数

  • 費やした作業時間当たりの欠陥検出数

  • プロジェクトで節約される推定時間

  • 平均欠陥工数(総検出時間と総修正時間を足した時間を総欠陥数で割った値)

練習問題

  • Question #34 (1 Point)

ISTQB® Test Manager Syllabus
Advanced Level
Compatible with Syllabus version 2021
Sample Exam – Questions
Sample Exam set A
Version 1.4

ISTQB® Test Manager Syllabus
Advanced Level
Compatible with Syllabus version 2012
Sample Exam – Answers
Sample Exam set A
Version 1.4

【出典元】

ISTQBテスト技術者資格制度
Advanced Level シラバス日本語版
テストマネージャ
Version2012.J04

いいなと思ったら応援しよう!