3ヶ月で3つのJSTQB資格試験に合格! テストマネージャ、テストアナリスト、自動車ソフトウェアテスト担当者の勉強方法を公開!
はじめに
私は、ソフトウェアテストの知識とスキルを体系的に学ぶために、JSTQB資格試験に挑戦しました。約3ヶ月間、集中的に勉強した結果、テストマネージャ、テストアナリスト、自動車ソフトウェアテスト担当者の3つ試験に合格することができました。
この記事では、筆者が実践した勉強方法をご紹介します。これからJSTQB資格試験に挑戦する方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
JSTQB認定テスト技術者資格とは
JSTQB認定テスト技術者資格は、国際的なソフトウェアテスト資格制度であるISTQBの認定資格を、日本国内で運営するものです。国際規格に準拠した試験内容で、ソフトウェアテストの基礎知識から専門知識までを体系的に学ぶことができます。
JSTQB(ISTQB)認定テスト技術者資格は、3つのレベルで構成されており、各レベルには複数の試験科目があります。
Foundation Level: ソフトウェアテストの基本的な知識と概念を証明します。
Advanced Level: 特定のテスト分野における専門知識を証明します。
Expert Level: テスト分野における高度な専門知識と経験を証明します。
テストマネージャ (Advanced Level)
試験内容
テストプロジェクトの計画、管理、実行に必要な知識とスキルを評価する試験
試験概要
試験形式:CBT(Computer Based Testing)
選択式問題:65問
試験時間:180分
合格ライン:65%以上
受験資格
JSTQB Foundation Level認定取得者
3年以上のテスト実務経験
テストアナリスト (Advanced Level)
試験内容
テスト要件の分析、テストケースの設計、テストデータの管理、テスト結果の分析に必要な知識とスキルを評価する試験
試験概要
試験形式:CBT(Computer Based Testing)
選択式問題:40問
試験時間:120分
合格ライン:65%以上
受験資格
JSTQB Foundation Level認定取得者
自動車ソフトウェアテスト担当者 (Foundation Level Specialist)
試験内容
自動車ソフトウェアのテストに必要な知識とスキルを評価する試験
試験概要
試験形式:CBT(Computer Based Testing)
選択式問題:40問
試験時間:60分
合格ライン:65%以上
受験資格
JSTQB Foundation Level認定取得者
勉強方法
共通した勉強方法
「学習の目的」を理解する
シラバスに記載されている「学習の目的」こそがJSTQBを学習する一番のポイントです。試験においても同様に重要であり、「学習の目的」に対応した記述を問われる問題が多く出題される傾向にあります。
私は以下の手順で、「学習の目的」の理解を深めました。
「学習の目的」を確認
シラバスの各章において「学習の目的」に該当する記載を抜粋
※生成AIを活用し、効率的に進められました「学習の目的」とシラバスの記載内容の関連性を把握
「学習の目的」に対して説明(Anser)できるようにする
※後述するアウトプットなど
学習内容をアウトプットする
学習した内容は必ずアウトプットしましょう。アウトプットすることで理解度が向上し、知識や情報を記憶に定着させることができます。
私が実際に取り組んだものを実例としてご紹介しますが、ご自身にあった手段でアウトプットをしていただればと思います。
スライドにまとめる
noteに記事を書く
同僚に解説する
学習したことを業務で実践する
サンプル問題集を解く
どんなに勉強していても、本番では緊張したり、問題文の多さに圧倒されたりして、実力を十分に発揮できないようなことがあります。そのため、事前に問題を解く練習をすることはとても大切です。
ありがたいことにISTQBのサイトには、各試験に対応したサンプル問題集が公開されています(すべて英語ですが…)。私は、一通りシラバスの学習が完了してから、サンプル問題集を実施しました。
サンプル問題集を解くことを通して体感したメリットをご紹介します。
現在の理解度を把握できる
弱点を分析し、補強することができる
試験問題に慣れることができる
時間配分をシミュレーションできる
※Advanced Levelは試験時間が長いので、これが意外と重要
テストマネージャ
学習内容と実務経験を照らし合わせる
テストマネージャーは、<K3:適用><K4:分析>に該当する「学習の目的」が多くあり、シラバスを読むだけでは理解が追いつかないことがありました。
そこで、自身のこれまでの経験や活動と照らし合わせることで、理解を深めることができました。
自身が過去に行っていた活動が、シラバスで定義された用語として理解できる
自身が過去に行っていた活動による成果(目的)が、シラバスに記載された体系化された内容で理解できる
その結果、どのような状況においても、シラバスで記載された内容に沿って、根拠を持った判断を下せるようになりました。(試験問題は仮想的な状況において、テストマネージャとしての判断を求められるので。)
マネジメント経験がない(少ない)方は、自身の活動と照らし合わせることが困難だと思います。その場合は、身近な方(上司や先輩、お客様)の活動と照らし合わせてみてはいかがでしょうか。
非公式問題集を解く
有志の方が作成してくださった問題集を解き、さらなる問題慣れと弱点強化を行いました。
テストアナリスト
テスト技法の習得
『とにかく数をこなす。』
"体で覚えろ"は言い過ぎかもしれませんが、やっぱり使ってみて慣れるのが1番だと思います。
実務のテスト設計で使用する
作問する
サンプル問題などを改変する
※例:完全なデシジョンテーブルを問う問題を簡略化したデシジョンテーブルで解答したり、2値の境界値分析を問う問題を3値で解答する完全に自作する
※例:任意の状態遷移図を作成し、Nスイッチカバレッジ、ラウンドトリップカバレッジを解答する
書籍で練習する
※例:ソフトウェアテスト技法練習帳 ~知識を経験に変える40問~
非公式問題集を解く
テストマネージャーの時と同様ですが、1つ注意事項があります。
現在公開いただいている非公式問題集は、以前のシラバスに対応したものになっており、最新のシラバスには対応していません。そのため、最新のシラバスと同じ「学習の目的」に該当する問題だけを抜粋し、その問題だけを学習する必要があります。
自動車ソフトウェアテスト担当者
自動車のドメイン知識を深める
自動車ドメインならではの知識を問われるものがあり、ソフトウェアテストの経験だけではカバーできないものが多くありました。
例えば、Automotive SPICE(ASPICE)やISO 26262、XiLなどですが、これらはシラバスだけではなかなか全体像を把握するのが難しかったです。
そこで参考文献を読んだり、Webサイトを閲覧するなどを先行して実施し、全体像の把握を優先しました。その後、シラバスに戻ってきて、どの範囲が自動車ソフトウェアテスト担当者として理解すべきかということを把握していきました。
マガジン
私が勉強した際にまとめたシラバスの要約とサンプル問題集をマガジンにまとめていますので、そちらもご活用いただければ幸いです。
テストマネージャ
テストアナリスト
自動車ソフトウェアテスト担当者
まとめ
JSTQB認定テスト技術者資格は、テスト技術者としてのスキルを証明するだけでなく、自身のスキルアップにも役立ちます。効率的な勉強方法を実践し、目標とする試験に合格しましょう。
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