ミーアキャット と ヒエラルキー
ミーアキャットはご存知でしょうか。たくさんの群れで行動し、一匹が、捕食動物から群れを守るために、見張りを行うことで有名な動物です。最近、Robotics 分野において、複数の robot のコラボレーションや協働 robot といった言葉を耳にすることが多くなっています。複数の robot を効率よく働かせるためには、どのように役割を決めたらいいのでしょうか。協働させるためには、何が必要でしょうか。ミーアキャットは群れの中で、この見張り役をどのように決めているのでしょうか。
いろいろ調べてみると、このミーアキャットは母系集団で構成されているそうです。つまり、母親とその子孫によって群れが構成されているということです。一番強いメスが子供を産む役割となっており、その他のメスとオスが子育てをしていると言うことです。
ここで、同じ母系集団で構成されるニホンザルを考えてみましょう。同じように母親とその子孫によって群れが構成されていると言うことです。生物学者の観察によると、確かに群れの中に順位はあるとのことです。そして、順位が一位のサルは、どのような役割なのでしょうか。それは、群れに外敵が迫って来た際に、率先して対抗したり、離れザルの威嚇、そして、群れの中の小競り合いの仲裁も、順位が一位のサルの役割とのことです。確かに、一番強いサルがするのが合理的な役割です。弱くて小さいサルには、外敵に対抗したり、小競り合いを仲裁することはできません。単純に負けてしまいます。つまり、その役割は一番強いサルが適しているという事です。
そして、ニホンザルには「ボスザル」はいないと言うのが生物学者の共通した見方となっています。一位のサルがボスなのでは?とお思いだと存じますが、一番権力の強いサル、或いはリーダーはいないと言うことのようです。また、同じ餌を巡って争うということもなく、そういう場合は、別の場所で採食をするだけだそうです。
では、ミーアキャットに話を戻しましょう。ミーアキャットの見張りは、どのようにして決められているのでしょうか。ニホンザルと同様、群れの中の一番強いミーアキャットが見張りをしているのでしょうか。生物学者の観察によると、それは群れの中で一番順位の低いミーアキャットだとのことです。
それでは、Robotics で考えてみましょう。何らかの仕組みにおいて、外部から robot を守らなければならない状況が発生したとすると、どの robot を使うべきでしょうか。言うまでもなく、一番強い robot を使用します。ほとんど同じように作られている robot においても個体差はあるかも知れません。或いは、搭載されている AI、この際、分かり易く強化学習のような物だとして、学習度合いによっては、一番効率の良い解を学習している個体を使用すべきです。一番強い robot を判断するには、どのようなプロセスが必要でしょうか。やはり、トーナメントやリーグ方式が分かりやすいでしょう。この時、他の robot を壊してしまうほど激しいものではいけません。群れを守る一番強い個体を選ぶのが目的です。精々、押し競饅頭、相撲程度でしょう。見張りはどのように決めたらいいでしょうか。コラボレーション robot の場合、それぞれ仕事が割り当ててあるはずですから、手の開いている個体、まだ役割のない新規導入されたばかりの個体がいいと考えるかも知れません。搭載している強化学習の学習度合いから見ても、他の仕事を効率よく行えるようになっている個体は、その仕事に当たらせると効率が良いはずです。そうなると、見張りは必然的に一番順新しい個体となります。
以上
参考資料:
https://kurukura.jp/car-life/20200529-90.html
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO81435210Y4A221C1000000/
https://jigokudani-yaenkoen.co.jp/contents/detail