家売るねこ、街を歩く①〜立命館大学衣笠キャンパス周辺〜
ぼくは、おさんぽがだいすきだ。
しごとで撮影に行くと称しておさんぽにいく。
ボクの仕事はお家を売ること。
でも、おうちを売るって事は、そこに住みたいと思ってもらうことなので、まちをうるってことと同じことだ。
だからぼくのおさんぽは、周辺のりさーちということなので、仕事のはんちゅうなのだ。
ついつい外に出たままなかなか帰らないこともあるけど(そして加工とかwebのコーディングの仕事がたまっていくけど…)、そういうとこがいかにもねこっぽいので、ぼくはそういうじぶんをきにいっている。
今日は、みんなに京都市北区の等持院のまわりをおさんぽして出会った場所を紹介するよ!
※約6分くらいで読めるよ!
1.等持院(とうじいん)
まちをあるいて、まちのにおいをかぐ。
等持院の青紅葉が風にそよいで、ひそひそとささやいているのをかんじる。
等持院は、昔の偉い人たち、足利氏の菩提寺なんだそうだ。
むろまち時代は中京区にあったらしいんだけど、今は北区に移転している。
(中京区にたしかに、等持院町ってある…。)
結構お寺って移動するのだ。本能寺だってそう。
本能寺の変がおこったときは、堀川蛸薬師あたりにあったんだって。
等持院も、昔『なにか』があって、ここに移ってきたんだろう。
きっと、『なにか』っていうのはいつの時代にだってあって、
ほとけ様に使える身であっても例外ではない。
おはかのおとなりを通る。
ここはお寺が管理している場所なのだろう。
ボクは実はお昼のおはかがすき。
風にのって漂ってくるおせんこうのにおいもすき。
とても静かで、心がおちつく。
誰も語ってはくれないが、切り出された石たちがひっそりと佇む様子はある種の秩序が感じられるし、ひんやりして見える石材の統一感がなんとも言えない。
お墓はとても寂しい場所だとおもうのと同時に、とてもにぎやかだともおもう。
空に向かって、ただただそこにいる石たちは、残された人の願いで、その願いを受け取る人がきっとここにはいるからにぎやかなのだ。
きょうはおしごとというほんぶんがあるから、中には入ってゆっくりできないけど(ついついそこではこをつくると、時間がとても早くすぎてしまう、不思議!)
時が止まったかのようにしずかなお寺の軒の下で、ほんの少しだけ箱を作った。
ここでは、縁側も座敷も、庭も石畳も建物も自然と一緒に暮らしている。
お寺の伝統建築はすばらしい。
ちょっとすわらせてもらったからお辞儀をしてボクはお寺を後にした。
あらゆるものは、いろんなモノや力で成り立っていて、そのおかげさまでぼくたちもできているのだ、というのはぶっきょうのおしえだ。
かんしゃのこころをわすれてはいけない。
2.立命館大学 衣笠キャンパス
ちょっと大学構内をさんぽ…😽
本来だったらもっと賑わっているのかもしれないけど、いまはリモート授業も多いんだろう。
友達とあまり会えなくて、授業に出れなくて寂しいだろうな。
けどみんなの顔は後ろに見える山の端の萌黄のようにいきいきとしている。
彼らは彼らなりに今の荒波の乗り越え方を、すでに知っているのかもしれない。
梅雨の晴れ間のあおぞらが緑に映えてすみわたっていた。
ー
大学構内をあるいていると、こういうときはねこでよかったなとおもう。
ぼくらは学生ではないけど、警備員さんにかおぱすだからね!
でも建物内にはあまり入らないようにしている。
ひととの付き合いに大事なのは距離感なのだ。
って、大学に住んでいるねこの友達のうけうりなんだけどね!
3.芋と野菜(ランチ)
ぼくは大学を東の方に出て通りを歩いた。
気になったお店があったので、ふらりと中に吸い込まれるように入った。
こういう時ぼくはカンをだいじにする。
『芋と野菜』
とってもユニークな名前ですてき!
テンションはあがったものの朝をしっかり食べてしまったぼくは、お店に入ったもののそんなにいっぱい食べられる自信はなかった。
メニューを迷いながらながめていると優しそうなお兄さんが、声をかけてくれた。
ぶわぶわの毛長族の友達のしっぽみたいに髪を束ねたおにいさんは、おみせのおすすめを教えてくれた。
…おすすめがいっぱいありすぎて、とても1日だけでは味わい尽くせなさそうなレベルだ。
ボクはよだれ鳥
(ぼくはとりにめがない!)
と、やきいも100gたのんだ。
あとレモネードも!
おにいさんは、
『よだれどりはとってもからいけどだいじょうぶ?』
と心配してくれた。
ねこには辛かろうと思ったのだろうか、なんだかもう友達みたいだった。
注文の最中、二つとなりの席で学生くんが恋バナや大学の授業の話をしていた。
『シラバスでねー?』
『けっこう、勉強したからさー!』
『私の親と弟がね、、、』
『あのときもうちょっと頑張ってたらなぁ』
エモい。なつかしい。
学生くんたちの会話はいつだって、わくわくする夏休みの朝のにおいがする。
ぼくもそんな時代があったかもしれない。
平日はひねもす興味のある知識を貪り、おやすみは日がな一日カフェで友人と喋って、過ごす。
どうしてだか、きらきらした思い出しかない。
当時はレポートとか掛け持ちのバイトの両立は大変だっただろうけど、美化されるほど時が経ってしまったのだろうかとおもうと、すこしせつない。
あっ、ご飯が来たから妄想タイムおわり!
よだれ鳥、…うまし!
とってもやわらかくてしっとりしている…!!!
辛さもちょうど良くてソースに旨みがあっ
てとても食欲がそそる味わいである。
しゃきしゃきのレタスがうまい具合に辛さを消してくれる。
鶏肉だしとってもヘルシーなメニューだ。
そして焼き芋は店員さんおすすめなお芋なのだが、とっても甘くってまるでスウィーツだ!
(おいもさんは3種類くらい品種がえらべた!食べ比べしてもきっと楽しい!😽)
大学近くでお店を切り盛りしていたらこんなふうにフレンドリーになれるのかな〜なんて思いながらもぐもぐしていると、
学生の子がさっそうとキッチンに入って行ってお皿を洗って出て行った。
一言二言マスターとお客さんの学生くんは会話をして、彼は出て行った。
夜は店員さんなのか、じょうれんのおきゃくさんなのかわからないけど。
おうちのお手伝いするみたいに、ちゃっちゃと洗って『じゃーいってくる』と店をでていった。
店員のお兄さんは多分学生さんじゃないとおもうけど、
こういう、自分の家がもう一つあるみたいに、接してくれる店員さんがいるお店ってあったかくて良いなと思った。
人は義理堅く、唯一とか、一つのものとかにこだわるけど、帰るべき場所、ひなたぼっこできる場所、餌をもらえる場所、逃げ場所なんていっぱいあってもいいのにとおもう。
ボクの友達なんか、いっぱい名前があるからね!
ミケ、たろう、ふく、まる、全部彼の名前だといっていた。
彼らは、その場所だけにしゅうちゃくしない。
ミケと呼ぶ人がいなくなっても、たろう、ふく、まるとよんでくれるひとがいる。
ときどき、ミケと呼ばれたことになつかしみながらいろんな心地の良い場所に行くのだ。
そもそも、ひなたぼっこをしてると、心地よいひなたは時間なんかですぐに変わるんだから。
心地よいばしょがずっと同じ場所だなんて幻想なのだ。
ぼくが街歩きをするのは、新しい心地よい場所を見つけたいからかもしれない。
そのときの気分や感性によって心地いい街は違うだろうし、それは選べた方がきっと楽しい😽
ボクはお腹が満たされたので、とってもおいしかったよといってお店を後にした。
『こんど、ここのお客さんがあたらしくメニューにイラスト描いてくれるっていってたからまた見においで』
と、いってくれた。
うん、また見に来るよ〜😽
↑めにゅーはこちらで確認してみてね!
4.BRASS / COFFEE
もう日は傾いていたから、そろそろ帰路につかなければと思っていたら、これまたハイセンスなコーヒーショップを見つけてしまった!
白い壁に木材の建具ってとっても相性が良い。
ポイントにはいったロゴの真鍮(=ブラス。ショップの名前の由来でもあるのだろう)がもう可愛すぎる。
道の方にひょっこりのぞけるテイクアウトの窓があると、なんだかワクワクするのはぼくだけだろうか。
窓からコーヒーのいい香りでもしようものなら、さっき飲んだばかりでもついつい買ってしまう。
褐色の飲み物の香りの魔力には抗いがたいものがある。
このときはおねえさんが1人で切り盛りしていて、ボクはアメリカーノを注文した。
持ち帰りのカップがかわいかった。
写真を撮っても良いですかと聞いたら快くいいですよと言ってくれた、やさしい。
酸味少なめのボディがつよく、ほどよい濃さのアメリカーノ。
とても外はあつかったけど、ホットを注文した。
熱くても冷たくても美味しいコーヒーってずるい、どちらも楽しむには2回通わないといけないから。
ずるいんだけど、これはこれでまた行く楽しみができたということで良しなのである…!
まっているあいだお店の前でちらりちらりと置かれているものをみる。
このじかんがとってもすき。
(待つっていうことは心に余裕がないとできない。)
余裕をもちながら待っているあいだにみるものは、みんなきらきらしている。
コーヒーの機械の上にモスペールカラーのカップがいっぱい…
かーわーいーいー😽
こんどはこのカップにいれて飲みたい。
カップによって、同じコーヒーでも味が変わるとボクは本気で信じている。
イートインだったら、これに入れてもらえるんだって。次が楽しみ!
https://www.instagram.com/brass.cafe/
インスタアカウントがとってもおしゃれだったので貼り付けておく!
5.猫の目に街
ご飯の話がほとんどだったけど、ちゃんとぼくのネコノメはまちをとらえている。
ここのまちは、学生がわらっている。
おみせのひともにこにこしている。
今はとても大変な時期だけど、
ここの街は心地よい。
この町で住みたい気持ちをページにする。
そうなったらぼくの手はとても早くなる。
プロだったら現場なんて行かなくたってパパッとwebサイトを作れるのかもしれないけど、ぼくは不器用だから歩いてまちをみないとなかなかつくれない。
だからぼくはきょうもまちをさんぽする。
そこでその時しか会えないものに会いにいく。
あのおうちと、まちを好きになってくれる人がであいますように。
そう思いながら、ぼくは物件のwebページをつくっている。