何故介護士による入居者への虐待ニュースは後を絶たないのか?
昨今、介護士による入居者への虐待を行ったニュースが後を絶ちません。
つい先日も夜勤中の介護士が入居者を「邪魔だから」という理由で
「投げ飛ばした」事で逮捕したというニュースが流れていました。
もちろん、「暴力」を振るうのは「犯罪」です。
いかなる理由があろうとも人間として「暴力」に訴えかけるのは愚かではあります。
しかし何故「虐待」に走る介護士がいるのでしょうか?
よく言われるのは「給料等の待遇面が悪いから」「認知症の入居者の対応が上手く行かないからイライラした」という理由があります。
確かにそれもあります。
しかしそれが「直接の原因」ではないと思っています。その他に「本当の原因」があるはずです。
今回はその「原因」について考察して行きたいと思います。
①職員の人間性
②過酷な労働環境の末、スレてしまった
③自立神経が麻痺してしまい、自制心が効かなくなった
④制度上の欠陥
簡単にあげるとするとこんな感じでしょうか?
まず、順番に解説して行きたいと思います。
①職員の人間性
介護業界は常に人手不足です。
逆に人手不足じゃない施設や事業所はほぼありません。
介護業界においては有効求人倍率が2019年時点で約4倍という発表もあります。
全職種の有効求人倍率が1・46なので介護職がいかに高いかがわかります。
なので求職者を選んでいられない。
前科持ちとか反社会勢力とかではない限りほぼ採用されています。
自分の知っている限り適応障害が原因で前職場を退職し、職歴にブランクがあったという人も問題なく採用されています。
もちろん精神障害に認定されている人です。
まあ最近はどの企業も障害者を積極的に雇ってますけどね。
そんな採用のハードルが甘い業界ですので中には「ヤバイ」人も少なくないです。
個人情報なのであまり詳しくは言えませんが「人として」常識がない方もいらっしゃいますね。
怒りの沸点も低い方も多いのでいつ虐待してもおかしくない職員も多いですね。
②過酷な労働環境の末、スレてしまった
人間は環境によって「常に」変化してきた生き物でした。
そうではないと生き残れなかったからです。
いや、人間だけではなく地球上全ての生物がそうかもしれません。
過酷な労働環境は人を変えてしまいます。
あれだけヘタレで挙動不審だった人がこの介護の仕事を始めたおかげで大抵の事には動じなくなった事が実際に起こっています。
そう、それはこの私です。
できる事なら経験したくはなかったですが。
私ではないのですが前職場であまりの長時間労働、ストレス過剰があり穏やかな人が些細な事でも怒りっぽくなってしまったのを見た事がありました。
だから何かのきっかけで休火山が噴火するように思い切った刹那的な行動や言動が出てくる可能性があるんです。
③自立神経が麻痺してしまい、自制心が効かなくなってしまった
先ほどの②の話と重複してしまいましたが、長時間労働や命を預かる事の重圧等の過酷な労働環境によって病んでしまうのはもちろんの事、
「夜勤」によって「自律神経」が麻痺してしまう事もあります。
これはかなり怖いです。
「自律神経」が麻痺するという事はかなりしんどいです。
しんどいという事はストレスも溜まって行きます。
ストレスが溜まっていくとちょっとした事にもイライラして行きます。
そのイライラが溜まって休火山が噴火してしまうように…
何故「自律神経」が「夜勤」によって崩れていくのかは後日改めて書きたいとおもいます。
④制度上の欠陥
介護業界は制度が「?」と頭をひねる事柄が多いです。
施設での人員配置は概ね入居者2.5〜3人に対して職員が1人となっていますが、
(施設の形態等によって多少前後しますが)
これは介護度が高くても低くても「同じ」なんです。
介護度が低ければ、つまり手がかかなければいいですが、
介護度が高い、約3人を一人の職員で介護するのはハードモードですよ!
夜間帯なんてもっと職員が少ないので更に一人一人の職員の負担が大きくなります。
ナースコールを取って対応したり他の入居者を介助している間別の入居者が転倒してしまったり・・・
そんな極限な状況な中、入居者の行動によってイラッとしてしまった拍子に怒りが爆発してしまったりしたら・・・
いや、そんな状況になっても入居者に暴力するのはいけないですけどね!
まとめ
以上4つの考察を述べてきましたが当たり前ですが「暴力」は「絶対に犯罪」ですからね。
どんな理由でもです。
しかし今まで書いた通り色んな背景が暴力や虐待に繋がっているのです。
この記事を見て勘違いして欲しくないのですが全国で働いている介護士がそういう事をするのが多いというわけではありません。
「介護業界」特有の世界だからこそ起こりえるのです。
これからも「介護業界」の裏側をどんどん発信していきたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?