美味しんぼ24巻のカレー勝負が一つも納得できない件について
カレー、好きですか⁉︎ 俺は所謂ジャパニーズスタイルのカレーが好きだが、当然インドネパール系のナンでいただくタイプも嫌いじゃないぞ、好きなカレー屋はココイチだがな! 松屋のカレーも好きだぞ!
そんな俺が当然納得行かない回が美味しんぼ初期の、一冊丸ごとカレーの話でお馴染みの24巻「カレー勝負」だ。ガンガンネタバレかますので見た事ない人要注意!
この回は名作とも迷作とも呼ばれているので、人によるとは思うんだが基本的には雄山基地の外回だと思うぞ!
いきなりカレー屋マイダス王に行くなり、伝説の「本物のカレーとはなんなのだ?」で始まるこの話。
俺がマイダス王の亭主なら「うるせぇさっさと食え!」で済ましても全然問題ないだろう。完全なイカれである。
別に定義できなくても自分の好みを言ってもおかしくはない
はっきり言ってまだまだこの頃の雄山は「いぬまるだしっ」のいぬまるくんくらい丸出している、狂気を。
「いぬまるだしっ」1巻より
むしろ東西新聞社の社員を、わざわざインドまで出張させてくれるめちゃくちゃいい会社だしいい姿勢だと思うが……
俺だったら雄山にカレー食って欲しいとはまったく思わんが、かつて入るなり禅問答のようなカレー問いをして店を休業するまで追い詰められた亭主がここまで下手に出ているのにこの態度!
ま、これは通常営業か。
冒頭で「カレーとは何か」みたいなことをカレー屋に聞いて歩いているらしい雄山だが、勝負の準備でインドへ飛んだ山岡たちにこんな事を言い放つ。
真髄を教わってんじゃねぇか! というツッコミはさておき
初期雄山は人から教わってんのに「私を超えるのは無理だと言うことだ」という傲慢さが最高ですね。
「チェンソーマン」3巻より
チェンソーマンの世界なら雄山こうされても文句言えねー
色々なんだかなぁと思うポイント
諸々あって当然カレー対決があるんだが、美味しんぼで1巻まるごと一つの素材というのは案外珍しい気がする。あるような気もするがパッとは思い出せないが、だからなのかそもそも冒頭から無理やり感が目立つ。
90年当時でそんなカレーの趣味分かれないだろという気もするし、田畑は明らかに論争のためにどうでもいいこと言わされてるし(さすがにジャパニーズスタイルとインドスタイルほど違いがあってじゃがいもがあればどちらでも、とはならんよなぁ)、近城はグルメごっこしかしない奴らと何故遊ぼうとする?
てか山岡と釣りしてる奴は誰だ?
まぁ結論を言えば戦争など起きない。ほぼスパイスにこだわってればカレーだ! みたいな結末になる。
細かいことはわからんが、要するに当時の雁屋哲がスパイスを重視したカレーにハマってて「スパイスにこだわってないカレー屋が多すぎる、カレーの歴史を軽視しとる、けしからん!」と思って書き上げた話だろう。
「その「おこだわり」、俺にもくれよ‼︎」4巻より
その姿勢自体はまぁ別にそこまで気にならんですよ。問題はやはり結末。
マイダス王亭主の結論はそれでいいのか?
究極対至高のカレー対決は山岡もこんな事を言っていたので至高側圧勝の程だが、
負けた言うとるがな
美味しんぼの審査員が珍しく意外な結論を出して、引き分け。
美味しんぼの引き分けってだいたい山岡側が負けたに等しい感じになるんだよな。それはともかく冒頭で禅問答を仕掛けられたマイダス王亭主の、納得の行かない心の動き方を見ていただこう。
雄山に凹まされ、店を休業
山岡たちとカレーの勉強を始めるが……
わからない!
新たなスパイスに出会い
美味しんぼにありがちな極端な思想を植え付けられ……
(この画像2回目)下手に出たのに雄山にキレられ、
それなりに悪くない結論までは到達
そして対決後
最終的には雄山に報いるだけのカレーを目指す事に!
ちなみにマイダス王はめきめき評判を上げていた、新鋭のカレー屋という評価だったのだが……
俺はこの雄山のスタイル、何かに似てんなあと思うがこれだわ。
ヤバいホストの手口だよこれ!
でも基本雄山てコレよ。
「殺し屋1」4巻より
まぁ垣原にアメはないか……
というのも、原作の雁屋哲は美味しんぼの前に「野望の王国」という端的に言うとヤクザが総理大臣になろうとする話の原作を書いてたので、当然ちゃ当然か。
結論
みんな好きなカレーを食え! 俺もココイチのカレーを食う!
「ゴハンスキー」2巻より
今回のトミー
今巻の富井副部長はまぁまぁ常識寄りなので、そこまで特出すべきところはないかなー
俺が書いた美味しんぼシリーズ感想戦