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ワーク・エンゲージメントを高める


日本経済新聞の「やさしい経済学」というコーナーに、慶応義塾大学教授 島津明人先生がエンゲージメントについて寄稿されていました(日経電子版2024年2月19日〜2024年2月29日)。

エンゲージメントの向上は当社でも取り組んでいる課題ですが、その目的や課題が従業員の皆さんに浸透しているかは疑問の残るところです。新聞などで頻繁に登場する「エンゲージメント」「健康経営」「ウェルビーイング」「心理的安全性」「働き方改革」などはすべて根っこでつながっている感じがしますが、それらが具体的に経営に組み込まれているのか、従業員さんのメリットになっているのか定かでありません。

今後の参考のために、記事の内容の要約を書き留めておきます。

エンゲージメントとは

日本では、雇用・労働環境の変化、価値観や働き方の多様化が進んでおり、労働力の質の向上生産性の向上が求められています。新型コロナウイルスの影響で働き方が変化し、働く意義メンタルヘルス対策の重要性が見直されています。

特に「ワーク・エンゲージメント」や健康経営の推進が注目され、G7労働雇用相会合でも主要議題となりました。

エンゲージメントは、仕事や組織に対する主体的な取り組みを意味し、ワーク・エンゲージメントは仕事に対するポジティブな心理状態を、従業員エンゲージメントは組織に対するそれを指します。

これらは充実感や熱意をもって仕事に取り組む状態であり、職務満足感やワーカホリズムとは異なる概念です。

ワーク・エンゲージメントを高める

ワーク・エンゲージメントが高い人は心身の健康状態が良好で、仕事や組織に対する満足度が高くパフォーマンスが向上します。このような状態は組織全体の生産性や利益率の向上にも繋がり、組織内でのエンゲージメントの均一性が重要であることが示されています。

ワーク・エンゲージメントを高めるためには、仕事の資源個人の資源に着目し、これらを増やすことが効果的です。

組織に向けたアプローチでは、経営層の理解を得た上で、仕事の資源を増やし、組織全体のエンゲージメントを高めます。

個人に向けたアプローチでは、ジョブ・クラフティングやマインドフルネス、同僚との支援関係構築などを通じて、個人の資源を強化します。

これらの方法は、健康増進生産性向上にも寄与し、組織全体での取り組みが推奨されます。

働き方の多様化

働き方が多様化し、オンとオフの区別が曖昧になっている現代では、仕事との心理的距離を保つことが重要です。

ワーク・ライフ・バランスの重視や休み方の工夫が、従業員の健康やワーク・エンゲージメントに良い影響を与えます。

在宅勤務は感染リスクの低減やワーク・ライフ・バランスの向上といったメリットがありますが、コミュニケーションの低下仕事と私生活の境界の喪失などのデメリットも指摘されています。

このような「緩境界化」の時代を乗り切るためには、個人の資源と仕事の資源に着目し、自己効力感の向上仕事のコントロールに注目することが重要です。

また、従業員一人ひとりの好みパーソナリティを考慮した働き方の選択が求められます。

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