アペリティーヴォごっこ 6月5日
お店の定休日。午前中は美容室へ。
ついこの間行ったばかりだと毎月行く度に思っているものの、カットしてもらった自分の髪で真っ黒くろすけが1~2匹は作れそうなのを確認し、頭も気持ちも軽やかになると、それだけの時間が確実に流れているのだなぁと納得する。
自宅でお昼ごはん。昨日、福島市からの帰りに寄ったスーパーで、格安の舌平目を夫君が見つけ、嬉々として買っていたので料理も任せることに。
任せると言いながらうるさく、シンプルに塩コショウでソテーに!とリクエスト。
休みだし、天気もいいし、調子に乗って冷えた白ワインで何の乾杯だかわからないけれど、とりあえず乾杯。
今からかれこれ8年前のちょうど今頃。イタリア・ウンブリア州へ新婚旅行へ行ったときのこと。といっても2人だけではなく、仕事で何年にも渡りイタリア全州を訪れたことのあるM氏の案内のもと、M氏の奥さんMちゃんと、友人Sちゃんも一緒の家族のような5人旅。到着したその日の夜はローマで一泊。その後電車で移動し、ウンブリアでの滞在は全てアグリツーリズモSan Cristoforoで過ごして。特に観光をするでもなく、それでも全く飽きることなく。
美しい自然とそこで育った農作物で作られたワインやオリーブオイル、
野菜やハーブを使った料理に、とびきり美味しい町のチーズ屋さんのチーズが食卓に並び…。もうそれだけで十分だった。本を読んだり、昼寝をしたり、散歩に出かけてみたり。暑くなれば手づくりの(手づくりとは到底思えない素晴らしい出来)プールでひと泳ぎ。
奥様のまい子さんがそんな私たちを誘って、車であちこち案内してくれたけれど、今でも思い出すのはやっぱり滞在していたお宿で過ごしたひとときのことだ。
陽が暮れ始めたといってもまだ明るい時間から始まるアペリティーヴォ。
気温は高くても湿度が低く、サラリとした風が心地いい。
外のテーブル席につき、食事を始める前からワインのグラスを傾け…
毎晩、毎晩、少しずつ顔ぶれが変わる宿泊客と片言ながら会話を交わし、まい子さんの心づくしのお料理を、ゆっくりゆっくり楽しむひとときは(たぶん毎晩12時近くまで食べて飲んで喋って過ごしていたと思う)その後私たちが共有する「本当の豊かさ」の価値観にも繋がっているように思う。
普段はドタバタドタバタと忙しなく過ごしていて、この旅の時間を
思い浮かべるたびに遠い目になってしまう。
でもたまの休日、いや食事どきだけでもあの旅を思い出しながら
アペリティーヴォごっこで乾杯をする。
そのうち酔いも手伝って、いとも簡単に豊かな気持ちに
満たされていくのだ。
6月5日(水)晴れ
庭に種を撒いたことも、苗を植えた覚えもない植物が育っていて、
まだ寒い頃から気になっていた。それが先週あたりから小さいけれど
華やかなピンクの花が次々と咲き始め、クマンバチが嬉しそうに
せっせと蜜?花粉を?を集めている。
よくよく調べてみるとゼニアオイらしい。
ゼニアオイなんていうと、雑草のように扱われそうだけれど、
ハーブティーで耳にする別名「マロウ」乾燥させてお湯を注げば
きれいなブルーのハーブティーに。
育てた覚えはないから鳥からのギフトか。