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春よ、春よ
先日の休みの日。
リビングから見えるケヤキの木に設置していた
シジュウカラの巣箱の位置を少し高い場所へ移した。
これは昨年からずーっと気になっていたこと。
気になっているなら早くやればいいものを、
延ばし延ばしにしていてやっと。
子どもの頃には木登りもしていたけれど、それは
遠い昔のこと。
この歳になって脚立に登ることすら恐る恐るだったが、
無事に設置。ケヤキの葉がワサワサと生い茂れば、
いい目隠しとなってなかなか居心地は良いのではなかろうか。
昨年は設置した高さが良くなかったのか、場所なのか、
どちらも気に入らなかったのかわからないが、
シジュウカラはそのかわいらしい姿を何度も
見せてくれていたというのに、巣箱マンションには
内覧すら立ち寄ることはなかった。
庭は富士子をはじめ、外猫ちゃんの通り道にもなっている。
蛇だってやって来るかもしれない。
そんな様子を鳥たちはしっかりと観察して巣作りの場所を
決めるのだ。
今年は少し高い場所に設置し直して、それでもだめなら
来年は場所の移動を考えるしかない。
すぐに答えが出るわけではないのも自然が教えてくれること。
さてどうなるやら。
今朝目覚めて寝室の窓を開けたら、鳥の鳴き声が聞こえてきた。
何の鳥だろう?鳴き方も独特だから鳥に詳しい人が聞いたら
すぐにわかるだろうにちょっと残念。
冬の間は耳にすることのなかった朝に聞こえる鳥の声。
気温は-6℃。まだまだ厳しい寒さでも、春の訪れを
告げるようなその鳴き声に、身体がふわりとほぐされるような
思いがする。明日も鳴いてくれるかな。
こんな小さなことにいちいち喜んでしまうのも、
寒さが厳しい土地に暮らす人になら
わかってもらえるのではないだろうか。
冬には冬の良さがあり、寒いからこそ味わえる喜びや
美しさも知っているつもりだ。
それでもやっぱり春の訪れが待ち遠しい。
春よ、春よと待ち焦がれるこの時季もまた
いとをかし。