はし本のうなぎは、ほどがいい。待って、食べる。その間合い。
本当に久し振り。石切橋のはし本で、うなぎをいただきました。まず、ごはんがおいしい。焼きが柔らかさとほろ苦さとちょっとした歯ごたえがいい。たれは、甘いのでもなく、辛いのでもなく調和が取れている。
店のたたずまいも、昔から変わらない。威張らない、へりくだらない。普通にいられるのは、江戸川橋という町場のせいでしょうか。
うなぎはこれまで、千住の尾花や赤坂の重箱でいただいてきました。ご一緒した矢野誠一さんとも、お話ししたのですが、うなぎはどれだけ高級店でも、一万円を超えることがない。それは、うなぎが高騰してからも、かろうじて守られています。高級店は別ですが。
もちろんお鮨やフレンチも好きですが、半年前に予約して、二万円超えはとても私の分をこえている。「分」は大切だなとこの頃思います。
かといって、スーパーのうなぎに手を出すのは、どこかはばかられます。もちろん、ものによるのでしょうが、なにか怪しい気がして、ね。
間合いのことも考えます。まっとうな店では、裂きからはじめるでしょうから、二、三十分はかります。この店は、この間合いをなんとなくやりすおごせる。特につまみが多いわけではないので、早い時間の予約をおすすめします。私は六時半の予約で、六時過ぎに入りましたが、肝焼きは売りきれ、焼き鳥も二人前しか残っていませんでした。
年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。