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英国の演出家による、演出家であり続けるための方法。NPOのリーダーにも、きっと役にたつはず。

 演出家が、プロダクションの立ち上がりから千穐楽まで、何を考えているのか。

 ケイティ・ミッチェルの『ケイティ・ミッチェルの演出術 舞台俳優と仕事をするための14段階式クラフト』(亘理裕子訳 白水社)は、高邁な演出論ではない。

 むしろ、刻々と移り変わる演劇制作の現場で、演出家が俳優やクリエィティブスタッフ(美術や照明や音響デザイナーらと)どんな関係を築くべきかを、自身の体験に基づきながら、克明に語っている。

 また、それぞれの章には、サマリーがまとめられているので、今、演出の現場にあって、大部のこの本を通読することさえかなわない演出家にも、特効薬のように役に立つ。

 それにしても、ケイティ・ミッチェルが書いているように、演出家のための教育は、いまだに十分とはいえない。また、学ぶべき事を体系的に記述した本もない。

 大抵の演出家は学生劇団の現場で、その使うべき言葉や態度とアプローチを経験的に獲得する。あるいは、すでに著名な演出家の助手を長年勤めることによって、自分なりの方法論を獲得する。

 前者では独善的になり、キャリアの初期には、俳優の芽を摘む危険がある。後者では、徒弟制のなかで、強烈な個性をもった師のエピゴーネンとなる危険がある。

 本書は、演出家になるためのこうしたふたつの道を否定するものではない。
 演出家の道を歩み始めたあらゆる人のために、よい舞台にするためには、いったいどんなことをすればよいのか。逆にいえば、どんなことはやってはいけないのかを説得力を持って書いている。

 私がおもしろく思った記述をいくつかあげる。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。