芸術文化振興会と国立劇場は、歌舞伎の現在を強く支援していただきたい。
松竹が声明を出した。イベント人数の規制緩和が発表されたが、50%を維持するのだという。
「しかしながら、興行再開からまだひと月半あまりの現状を考慮いたしますと、まずは、さらにお客様の安全安心を第一に考え、俳優及び舞台関係者の健康にも万全を期すことを徹底させていただくため、当面の間は、従来の50%の座席使用を維持し、引き続き感染対策を実施して参りたいと思うに至りました。」としている。
慎重に言葉を選んでいるが、重大な感染が起こり、観劇が危険だとの風評が広がれば、壊滅的な打撃を受けるのを慮ってのことだろうと思う。
歌舞伎座は、象徴的な意味を持つ。そこでは、もっとも万全な対策が維持されなければならないとの強い意志が感じられた。
それにしても、現在の興行スタイルで、どう考えても黒字が出ているとは思えない。
それでも、役者のみならず、歌舞伎を支える周辺を失っては、歌舞伎の未来がない。そう考えての懸命のがまんと受け止めている。
ただし、上場企業である以上、企業の体力には限界が当然ある。文楽は、松竹が経営を継続できずに、国の保護を受けた歴史がある。
けれども、歌舞伎にその道を歩ませたくないと思うのは私だけだろうか。
国立劇場の十月興行も発表になった。こちらは二部制だが、国立としては、かなり変則的な興業形態になっている。
松竹が国立劇場に「役者を貸す」という言い方がなされてきた。嫌な言い方である。これまでの松竹と国立の関係を見直し、国立が後ろ盾になって、現在の中堅俳優に野心的な興行を打たせるような連携はできないだろうか。
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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。