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長谷部浩の俳優論。

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歌舞伎は、その成り立ちからして俳優論に傾きますが、これからは現代演劇でも、演出論や戯曲論にくわえて、俳優についても語ってみようと思っています。
劇作家よりも演出家よりも、俳優に興味のある方へ。
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2024年12月の記事一覧

【劇評364】篠原涼子と首藤康之が声と身体で響き合う。官能の『見知らぬ女の手紙』

【劇評364】篠原涼子と首藤康之が声と身体で響き合う。官能の『見知らぬ女の手紙』

 声は情感にふるえ、身体が絶望を物語る。

『見知らぬ女の手紙』(シュテファン・ツヴァイク原作 池田信雄翻訳 行定勲翻案・演出)は、官能のありかを探る秀作となった。篠原涼子の声が劇場いっぱいに満たされ、首藤康之の身体が暗闇に沈潜していく。私は、九十分のあいだ、性愛について考え、自らを探った。

 ルートヴィッヒ・フォン・ベートーベンのピアノソナタ第十四番「月光」の冒頭が繰りかえされる。長い演奏旅行

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