マガジンのカバー画像

長谷部浩のノート お芝居と劇評とその周辺

歌舞伎や現代演劇を中心とした劇評や、お芝居や本に関する記事は、このマガジンを定期購読していただくとすべてお読みいただけます。月に3から5本程度更新します。お芝居に関心のあるかたに…
すべての有料記事はこのマガジンに投稿します。演劇関係の記事を手軽に読みたい方に、定期購入をおすすめ…
¥500 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

2023年8月の記事一覧

演出家と翻訳家と批評家が、神保町で中華を食べる。

この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

【劇評310】才気溢れるホームズ演出は、パンドラの匣から、チェーホフの登場人物を解き放つ。大胆でクレージーな『桜の園』をめぐって。

 舞台には、巨大な石棺を思わせる物体が鎮座している。この物体が中空に釣り上げられる。  中にいたロパーヒンとドゥニャーシャは、まるで家具のように、ビニールがかけられているが、ある男によって、この覆いが剥がされ、物語は動き出す。  愚かしくも、愛すべきチェーホフの人間たちが、まるでパンドラの匣が開いたかにように、無国籍で時代もさだかではない空間に放たれる。  ショーン・ホームズ演出の『桜の園』(サイモン・スティーブンス英語版 広田敦郎訳)は、独創的なアイデアがふんだんに盛り込

¥300

【劇評309】幸四郎、勘九郎の意気地。若手花形の成長を楽しむ『新門辰五郎』。

若手花形の充実が急がれる課題であるとすれば、真山青果の群像劇『新門辰五郎』を第二部の出し物とするのは、なるほどと膝を打つ、見事な企画である。

¥300