【劇評198】独自の藝境に至る白鸚の「河内山」。福助の「鶴亀」、染五郎の「雪の石橋」はいかに。
歌舞伎役者もまた、いつかは父を、乗り越えようと試みるものなのだろうか。
国立劇場の第二部は、『天衣紛上野初花』、「河内山」と呼ばれる芝居を「上州屋」「広間」「玄関先」と通している。白鸚の河内山だが、二代目を襲名してから二年、自分の芝居を突き詰めて、独自の領域を切り開いている。
もちろん、筋書に掲載された談話には、「播磨屋(初代中村吉右衛門)と高麗屋(七代目松本幸四郎)から、父が受け継いだ大事なお役です。父は「河内山には品がなくてはいけない」と言っておりました」
と、語