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長谷部浩
2019年12月29日 23:13
グランメゾン東京第十話。 結局のところ、根本的な問題は、解決されずに終わった。 リンダ(冨永愛)が政界の圧力にかかって、不誠実な態度をグランメゾンに取ってきたこと。 先週の第九話で、GAKUを理不尽にも首になった丹後学(菊之助)が、なぜか急にレストランの窮地を救いにくること。 平古祥平(玉森裕太)をめぐる三角関係に、平古が勤務していたホテルを舞台に、松井萠絵(古谷彩子)と蛯名
2019年12月23日 10:00
最終話を前にして大きな展開があった。 丹後学(菊之助)がシェフを勤めるGAKUに内紛があった。まず、スーシェフの 平古祥平(玉森裕太)がGAKUからグランメゾン東京へと移る。祥平を頼りにしていた丹後は、精気を失ったという理由で、オーナーの江藤(手塚とおる)は、丹後を首にして、他のシェフと契約する。 今回の見どころは、この裏切りを告げられたときの菊之助の受けの芝居にある。 歌舞伎には、「
2019年12月9日 00:38
菊之助休演の知らせがありました。 案じる気持ちで、テレビの『グランメゾン東京』第八話を観る。 菊之助さんはほとんど出番はなかった。 けれども、キムタクが料理の修業を始めた町場のレストラン、主人でシェフの木場勝己さんの演技がすばらしい。 顔のクローズアップを、directorもカメラの撮りたくなる。芝居がいい。面構えがいい。
2019年12月1日 23:23
『グランメゾン東京』、菊之助の演技を見ていて、急に亡くなった平幹二朗の芝居を思い出した。 平は、俳優座養成所の出身である。蜷川幸雄の舞台では、初期、および後期に偉大な仕事を残した。ところが、大河ドラマなどで見る平の演技は、なぜか画面のサイズからはみ出していた。 『樅の木は残った』(1970年 NHK)は、平にとって画期的な作品だった。仙台藩の御家騒動を扱ったという意味では、歌舞伎の『伽羅
2019年11月26日 16:47
尾上菊之助は、敵役とは無縁だと思ってきた。もっとも、歌舞伎は、敵役を大切な役柄としている。たとえば『伽羅先代萩』の仁木弾正は、「国崩し」と呼ばれる敵役である。主家ののっとりをもくろむ大悪人だけれど、立役を中心にする歌舞伎役者は、いずれは仁木(にっき)を演じたいと考える。『グランメゾン東京』で、菊之助が演じる丹後学は、第六話まで観たところ、どうも仁木ではないらしい。むしろ木村拓哉が演じる尾花のほ