藤田俊太郎 師・蜷川幸雄の思い出。その6(完結編) 蜷川幸雄と女優。大竹しのぶとの葛藤。
長谷部 蜷川さんは、唐十郎さんとか清水邦夫さんには、かつて恩があると思っていました。劇作家は恵まれませんから、晩年は、ふたりの作品を、自分が演出し上演して、上演料が入るようにしなきゃいけないって思ってたのかな。
藤田 それは、公に言っていましたね。唐さんの作品、清水さんの作品をどんどん大きい劇場でやりたいって言ってましたね。立場が逆転しているとは、蜷川さんは言わないと思うんですけど、若い時に唐さんがいたから、清水さんが居たから、演劇人として生き残れたってことを返していってる