菊之助が「教わる」のではなく、菊之助が「教える」
團十郎襲名が延期になった。つまりは、五月から七月まで、歌舞伎座は開場しないことを意味する。
歌舞伎座は、評論家にとっても、象徴的な劇場なのだろうと思う。古老に聞くと、歌舞伎座の招待日はすべての予定に優先するという。
正月に威儀を正すのはもちろんだけれども、普段の月も、基本的にはジャケット着用が最低限のマナーとなっている。もちろん暗黙の了解ではあるが。
久保田万太郎の随筆を見ると、大正年間までは、評論家は東西の桟敷に居並んだという。
つまりは、観られる存在でもあった