吉凶を記す
10月になると書店やコンビニに占いの本が並びます。人類は昔から占いが好きですね。
誰かを占った際に書かれたメモと思われます。こういうものが残っていることが面白いです。
「羅曜星」「金曜星」「計都星」と書かれており「右ノ星ヨリ順々繰るべし」と続けて書いてあります。恐らく九曜というインド起源の占星術で人々の繁栄や収穫、健康に大きな影響を与えるとされてきたものです。インドのヒンズー暦では1ヶ月を新月から満月までの「白分」と満月から新月までの「黒分」に分けそれぞれ1日から日を数えます。白と黒の丸に分けられているのはそういう理由かと思います。
九曜はそれぞれ天体の名前でそのうち7つは実在する天体で残り2つも古代インドでは実在する天体と考えられていました。日本では9つの星を「九曜曼荼羅」として信仰し、平安時代には交通安全に霊験あるとされていたようです。
このような運勢暦は明治時代の改暦により従来の吉凶や禁忌などの迷信的な事柄が書かれた暦注が禁止されましたが、民間では農業や漁業を営む上での行動基準として用いられた暦注への要望が根強く、現代まで残り続けています。
参考文献:暦を知る事典