土いじりのススメ 土がもたらす充実感
土いじりで自己肯定感もアップ!
私は、2011年の東日本大震災で物流が一時ストップしたこと機に「食料は自分で確保する必要がある」ということを思い知りました。
その後、私の人生には大きな転機がたびたび訪れて、それまでの価値観がひっくり返ってしまいましたが、食料の自給だけでなく「心の充実感が欲しい」という気持ちも強まり、それがきっかけで本格的に畑での家庭菜園を始めました。
土いじりをしながら家庭菜園で野菜を育てるメリットは、自宅にいながらいろいろな種類の野菜を収穫できること、わずかばかりではあるけれど食費を節約できることがありますが、土いじりをすることの大きなメリットは「充実感を得られやすい」という点です。
つい最近、こんな記事を見つけました。
パンデミックの今、土いじりはより多くの幸福感をもたらす趣味
(スプートニク日本)
主要な部分を引用します。
新型コロナウイルスのパンデミックの昨今、家庭菜園や園芸に取り組む人々は、他の趣味に勤しむ人よりも幸福感を得られやすい。(中略)
園芸に勤しむ人は、他の趣味を持っている人よりも幸福度が高く、自己肯定感が高いことも明らかになった。園芸によって得られる高い幸福度は、中流階級、高所得者だけでなく、低所得者や独身者からも報告されている。(中略)
この調査結果は当局が将来、幸福がテーマのプロジェクトの支援を決定する際に、当局がガーデニングを重要視するべきであると述べている。なぜならば、家庭菜園が都市の発展や市場への高品質食材の供給に貢献しているからだ。
(引用:スプートニク日本 2020年5月21日付)
私は週末を中心に家庭菜園で土いじりを行っていますが、確かに土いじりをしていると精神的に満たされるような感じがします。
種をまいた後、「いつになったら発芽するんだ?」というあせりの後、平らだった土の表面に小さな芽を見つけた瞬間は、自分ががんばって芽を伸ばしたわけでもないのに達成感に包まれてしまいます。
その後、野菜は意外と速いスピードで成長を続け、そうこうしているうちに花を咲かせて実をつけます。手間ひまこそかけたものの、自分で育てた野菜が無事に収穫できたときは感無量!
普段は自己肯定感が低めの私も「野菜を無事に収穫できた」という体験ができただけで自己肯定感がアップします。
スプートニク日本の記事には「園芸に勤しむ人は、他の趣味を持っている人よりも幸福度が高く、自己肯定感が高いことも明らかになった。」と書かれていますが、「自分で育てて自分で収穫できた」という達成感が自己肯定感を高めるのでしょう。
さらに、記事には「園芸によって得られる高い幸福度は、中流階級、高所得者だけでなく、低所得者や独身者からも報告されている。」とも書かれています。
かくいう私も所得は多くなく、独身ですが、私の精神状態は野菜栽培によって良好な状態に保たれている、といっても過言ではありません。
私は子育て経験がないので、子育てと野菜栽培を直接比べることができませんが、少なくとも、野菜を「育てる」という行為によって自分が存在する意味を見いだせます。「育てる」ということも、自己肯定感を高める効果があるように思っています。
三密を避けやすい趣味なのでアフターコロナに最適
また、土いじりは「ウィズコロナ・アフターコロナの時代に最適な趣味」であることも重要なポイントです。
このことについて、提言型ニュースサイトの「BLOGOS」に掲載された「養老孟司氏、「将来の夢はYouTuber」の子供達に伝えたいこと」の記事から一部引用します。
今回のコロナ禍で、困っているのはみな、「対人の世界」の住人です。レストランにゲームセンター、カラオケに居酒屋。こうした“対人”サービスが苦境に陥っています。
くらべて、「対物の世界」、農家さんや漁師さんの生活はそれほど大きく変わっていないように思えます。
(引用:BLOGOS)
田舎で暮らしながら畑で家庭菜園を行っていると、人と会う機会が少ないうえに、会ったとしても5mから10mくらいも離れた状態で会話しているので、外出しても三密の状態にあてはまりません。
しかも、食料を確保するという観点から見ると、家庭菜園での畑仕事を自粛する必要性は全くなく、むしろ積極的に行うべきではないかと考えます。
畑で作業をしながら太陽の光を浴び、土に触れつつ、植物に囲まれた生活をしていれば気分的にも癒やされます。
人間が病気になる原因は免疫力の低さにありますが、適度に身体を動かして精神的に快適な状態が保たれているときほど、免疫力は自然と上がります。結果として病気にかかりにくい身体となることでしょう。
そのような観点から見れば、これからの時代に最適な趣味はまさに「土いじり」といえます。「土いじりのススメ」がウィズコロナ・アフターコロナの時代のキーワードになると感じています。