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邪教の子 感想

映画『来る』がなかなか衝撃的で、面白かったけれど終わり方が「?」だったので澤村さんの原作『ぼぎわんが、来る』を読んだらとても面白かった。でも怖いので、ぼぎわんの続きはまだ読めていない。『邪教の子』はカルトの話だということで、澤村さんが書くとどんな感じになるのかとても楽しみだった。

単純に1つの流れで展開はしないんだろうな、2重3重の「実は」があるんだろうな、という雰囲気が最初からしているので、色々予想して読んだ。

調べてみると、連載中から展開が変わったり、犯人が変わったりしているらしいので、連載版もどこかで読んでみたいな……。

------以下ネタバレ含む------









終始一貫して茜の強かさが光っているような気がした。仕込まれた暗号を解いた慧斗も賢い子だったのかもしれないが、あんなに弱って苦しい環境にあった茜が暗号を仕込むほうが大変じゃないかな?と思う。虐待に近い状態にあって、思考力も弱っていただろうし……。
最後、普通のオバさんになってしまった慧斗の描写から、若い時の「神童」が普通の人になってしまう、みたいな感じで、慧斗の賢さは、若い時の一瞬の輝きだったのかなと。そんで、慧斗のカリスマ性は、どうも周りの人間たちが持ち上げて持ち上げて築いてたもんなのかなという印象。
大地の民の幹部連中や熱心な信者は、どうしても崇める対象が欲しかったし、そうじゃないと自分らの心の拠り所が無くなってしまう。茜にとっては「次期会長に助けられた」というのは特別感があって良さそう。

もともとコスモフィールドにどっぷりの生活をしていた茜のほうが、(不自由で相当大変だっただろうけど)よっぽどカルトの考え方に染まっていて、大地の民として才能があっだってことかもなぁ〜と思う。

最後、矢口にしてやられたのに喜んでいたような茜、かつて自分が見出した才能を矢口の中に見つけて良かったねって感じですが、また同じように心酔していくんだろうか?

ここまで書いていて思ったのは、
茜は子供の時、あまりにも、王子様に助け出されるお姫様的なポジションにいたので、そういうドラマチックが無いと、人生がつまんないんだろうなと思った。

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