
【モノローグエッセイ】人魚になりたかったあの頃
以前読んだ本で、小さい頃の夢は?という問いに、「人魚」と答えていたジュエリーアーティストの女性を見た。
そういえば私の小さい頃の夢も人魚だったことをふと思い出す。
なぜ人魚に憧れていたというと、当時やっていた「マーメイドメロディぴちぴちピッチ」というアニメの影響が大きかった。

↑この作品が無ければ、今私は歌っていないと思うくらい、私には大きな衝撃を与えた作品である。
もうひとつ、私の人魚への憧れを掻き立てたのは、ディズニー映画の「リトル・マーメイド」

Part of Your Worldを歌うアリエルのシーンに憧れた人は多いだろう。私もそうだった。
この2つの作品があったからか、私と同世代ないし、その前後の世代は特に人魚への憧れを抱いた人が多いんじゃないかなあと思う。
「少女は、誰でも一度は人魚に憧れを持つ。」
という話を以前、日頃お世話になっている方としたことがあり、「人魚に憧れること」は多くの人が通る道なんだなあと思ったことがあった。(もちろん違う人もいると思うけど。)
私は、幼稚園~小学生の時、水泳を習っていたので泳ぐことも出来てた。
プールの底にうつる自分の足の影を、くるぶしのところで交差させると、人魚のヒレみたいに影がなって、密かにウキウキしていた記憶がある。
海にも強い憧れがあって、家族旅行で訪れていた海は昼から夕方までずーっと泳いでいた。
そして、歌もほぼ毎日歌っていた。
そんな、人魚になる準備はいつでもバンタン!!、な頃が、私にもあった。
去る6月9日
実写版「リトル・マーメイド」が公開されたこともあり、映画や人魚にまつわる記事をちょうど読んでいた。
その中で私の目に留まり、心にグッとおちたのが、原作アンデルセンの「人魚姫」のこの一節。

人魚のお姫さまには、涙というものがありません。涙がないだけに、もっと苦しい、つらい思いをしなければなりませんでした。
人魚には涙というものがない。
だからますます苦しくつらい思いをする。という。
この一節を見た時、現代人と人魚は変わらないな、と思った。
この一節を読んで、私が出会ってきた人の中で、あの人は「人魚」みたいだったなと思う人が何人も浮かんだ。
そして、私が尊敬する人たちもきっと「人魚」
私が幼少期「人魚」に憧れたことは、ある意味、どこか本能的なものがあったのかもしれない。
そういう性質の人に惹かれるタチがあったのだ。きっと。
何はともあれ
今上映中の映画が、多くの子どもたちに人魚への憧れを再び与え、夢を見させてくれますように。
私も近々観に行く予定。