さようなら、わたしの『すべき』。
この世の中は、わからないことでいっぱいだ。
感じることをなかなか許してくれない。
そう思うのは、わたしだけ?
流行り病で床に伏せ。
ぼんやりした頭で考えられることはたかがしれている。
ぼんやりと、天井と窓の外の切り取られた空を
交互に見つめながら、ふと、思う。
わからなくていいんだ。
わからなくて当たり前なんだ。
わからない自分を責めていた。
苦しかった。
でも分かり合えなくてもいい、そう思えたら、
自分のなかの何かが溶け出した。
みんな知っているんだろうか。
分かり合えなくても、いいということを。
知らせてあげたい、
絶望している、どこぞの誰かに。
自分のことすらわかっていないわたし達。
たくさんのサインを送ってくれているのに、
自分の内側の声をスルーしていることがどれだけ多いことか。
どうすべきか、なんて人に訊ねる前に、
どうしたい?と自分に優しく問うてみる。
そしたら、すぐに答えてくれるだろうか?
すぐにそう考えてしまう、おこがましいわたし達。
自分を無視した時間と同じくらい時間をかけて、
わたし達は冷え切った心を溶かしていこう。
何も、わからなくてもいい。
何も分かり合えなくてもいい。
わたしのなかの、わたしに優しく声をかけてあげられるわたしでいよう。
感じることをそうやって許してあげるんだ。
すべき、という言葉が、
そろそろ、わたしの中で消えてしまいそうだ。
晴海たお