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『バンオウ-盤王-』第45話「月山VSアンナ」感想 これはサブタイ詐欺ではない、逃げられない戦い


◆月山VSアンナ

11月24日(金)に『バンオウ-盤王-』の最新第45話が配信された。

サブタイが「月山VSアンナ」
もうこの時点で「マジかよ…」ってさせられたのはまだほんの序の口。本篇を読み進めるとガチのバトル漫画開幕な威圧が凄まじかった。思えばアンナさん初登場回も将棋漫画らしからぬ破壊描写が凄まじかったが、あれは今回のために向けての前フリだったのだろうか。

一触即発。哀しくも逃げられない戦いが始まる――――









それはいくらなんでも逃げられないわ…

なんか最近やけに画太郎トラック召喚ないしコベニカー案件をよく見かける気がするんですけどなんなんですかね!いやもちろん笑いましたよ!シリアスを引っ張るに引っ張ってからのこれはマジでやりやがった!!と吹っ切れるように笑いましたよ!!
本作のことだからこんなシリアスバリバリキャンセラーが来ることは想定できなくはなかったし、本作らしい解像度の高さなのだが、フツー出すかね画太郎トラック!?

いやあでも、前フリが完璧だから騙されたわ。
「ついにこの日が来てしまったか…」と諦念気味だったし、ガチバトル展開の雰囲気がしっかり出ていたし、この前の将棋ウォーズコラボ販促回で月山さんが吸血鬼ハンターと対峙したらクソゲーオチだったのが最大の前フリ要素である。アンナさんがぽんこつだからどのみち和解√突入は前以て想定していたが…それはあくまで結果にすぎない。肝心なのは過程だ。だからって画太郎トラックは不意打ちすぎるMAP兵器じゃん。

マジのガチで申し訳なさそうにしている運ちゃんの好印象がマジ感たっぷりだった。
元よりこの漫画は良い人ばかり登場する漫画であり、クズとか出す必要は諸共ない、つーかカテエラすぎてマジ無駄すぎるワケだが、単なる良い人ではない丁寧な対応がすごい。ガチでテンパってケータイ落として「ケータイ電話って何番の救急車ですか!?」と取り乱すほどのマジ感。アンナさんが超人なので大丈夫と幾度も説得しようが警察や救急車を呼んでくれる御尤もな対応。逆にこちらが申し訳なくなるくらいにだ。(マジで警察沙汰になったら厄介だが…)

あとこれは「そこまで考えてないと思うよ」案件かもしれないが、月山さんやアンナさんが漫画のキャラみたいなイレギュラーなのに対し、運ちゃんのリアリティ溢れる対応が際立っている。つまるところ、二人にとって大丈夫だ問題ない案件だとしても、読者はギャハハと笑えるギャグだとしても、運ちゃんにとってはとても笑えない大事になってしまった。その線引きがよくできている。
いちいち漫画読んでてそういう繊細なことを気にするのはよくないかもしれないが、逆に言えば「運ちゃん気の毒すぎじゃね??」「トラウマモンじゃね??」とは思わせない丁寧な気配りが出来ているのだ。もうここは綿引先生への信頼度ありきだな。

◆一時休戦

ジャングルジムの上で見下ろすとやはりアホっぽいな…
とりま、吸血鬼バレやアンナさんが教団メンバーといった事情を互いに落ち着いた状況で明かすのは最善にして期待通り。月山さんとは友達関係のままいてくれたのも嬉しい。でもさっきバトル漫画みたいなシチュになってたじゃん?

本能なら仕方ないな、うん…
先週回想からしてマジバトルモードに移行していたのは納得しかなかったもんな。

アンナさんはアホの子と思わせて分析力が高い。
この町の近辺には吸血鬼の被害がないことは月山さんは人間を襲っていないことを意味する。それ以前に、人間たちと楽しく将棋をやっている姿を見届けてくれたのが嬉しい。そりゃあ吸血鬼だと疑う要素はないだろう。それだけに吸血鬼だと知ったときはショックだったのだろうか?思惑が気になる。

◆再戦:月山VSアンナ

だが月山さんをここで逃すわけにはいかないアンナさん。なぜなら、月山さんを逃すと特別ボーナスがパーになるから…!









華麗なるサブタイ回収…!
ガチバトル再開と思わせてしれっとフツーに月山さんちに入り込んでまで将棋やってたのも笑ったけど、「月山VSアンナ」がダブルミーニングだったことに謎の感動を覚えた。サブタイ詐欺じゃなかったんや!

いやしかし、見事にWin-Winの関係になったなあ。
月山さんとはタダで時間無制限で将棋やれるし、その月山さんもその分将棋ができる強みがある。まあここにいるだけでなく将棋教室にも顔出して、あとできるだけお金落としてとも言いたくなるが、もうルームシェアするつもりだろうな。お兄ちゃんがNTR案件食らうまでがセットで。

対立関係でありながら同じ境遇。
本来なら遭遇してはならなかったが、ひとり生き苦しむ月山さんへの支えとなる理解者がまたひとり増えた。バトル特化キャラなアンナさんが将棋に沼り始めたのはどうしてこうなったおもしれー女案件だったが、この月山さん説得展開のために活かされたのは感無量である。

500歳生きてるとおじいちゃんを超えた上位存在な気がします。
もちろんぼくも「月山さん数百年生きてるとか完全におじいちゃん」としれっと思っていたクチだが、今回初めて作中でおじいちゃん扱いされてしまった。月山さんは「俺たち吸血鬼は実質ジジイだからな」とかお兄ちゃんに飛び火かかるような自虐発言もしていなかったので、この瞬間どう思ったのか気になるな…
ところでアンナさんの「おじいちゃん」って言い方かわいいな!すごくこの人らしいが!

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