『ミギとダリ』第12話「ぼくらの復讐」感想 約束された結末にして超意外なサプライズ だが大団円はまだ早い
◆これまでの感想
◆救出
いや無理だろそんなビーバーみたいにドアをかじりまくって穴なんて
空いとるやろがい!!流石丸太様!!
煙から家が燃えているのを知ってしまったわけだが、いやしかし今のうちに現状把握できて正解だ。気づいたらこの密室にも火が移っていたとか冗談じゃない。でかした丸太!!丸太様最高!!丸太様最高!!
しかしドアは極めて頑丈。木馬で殴りつけてもダメだった。もう既に亡き者となったとはいえ、怜子の執念が分かりやすい。瑛二くんが発火源とはいえ、ここに閉じ込めやがったのは恨むぜ~…
だがどうしてもみんなでチェリーパイを食べたい。
このミギの本心は何度も擦られるとクドくはなるけど、今回で二回目だ。ダリにここで諦めさせない言葉の引き金としても機能されている。ぼくもそんな光景が見たい!ハッピーエンドが見たい!
さ~~~~~~~~っすが秋山くん!!!!
もうこの場においての助っ人が彼しかいないので予定調和なのは否めない。だが変にズラさず、寧ろ「秋山くんたすけて!!」と思いを訴えるしかなかっただけに、約束された期待通りの結末だった。あと「鳥かごで終わる人生なんてクソ喰らえだろ」というセリフがかっこよさすぎる。
しかし助けに来てくれたはいいが、バードマンが骨組み状態になっているとか、あの警察との鬼ごっこの成れの果てがこれ…??『逃走中』のハードモードみたいだったんだろうか。
◆脱出
脱出パートはしばらくの間はサイレントアニメとして進行。ダイジェストでもよくあるやつだが、いったいどんな会話なのか想像できる。原作もそのようなつくりなのだろう。しかし2階から飛び降りるのは流石にキツいのでは…?
ああうん…
先にミギとダリ、華怜ちゃんとパパが脱出していたとはいえ、流石の丸太はガクブル。そりゃそうだ。なんかこの中で一番常識人になってきたなこいつ。最初ヘイト役だったのに。
「飛べたらいいことしてあげる!」という華怜ちゃんの魔法の言葉で脱出。冷静に考えたらこれ、性欲の力でなんとかなったようなもんだけどな!
脱出のはずなのに超人コンテストを見せつけられているみたいだった。秋山くんのその謎エフェクトほんとなんなんだよ。ともあれわんちゃんも助けてあげてると大団円めいてきた。が、あと一人…
◆怜子
幼少期にミギダリが聞いていた「ミジンコの歌」。
瑛二くんが怜子と心中を図るときでも流れていたこの曲は、怜子が弾いていたのだという。それをミギダリ、メトリーも聴いていたというオチだ。お互い知らないところで名曲を共有していたのはもれなくエモシチュである。
個人的にはミジンコの歌はそこまで強く注目していた要素ではないのだが、怜子に違和感のない美点を与える、受け入れられる救済ではないか、と考えている。死亡後にこれだからそのような勝手な捉え方ができたとも言えるが、まさかこの曲を怜子が提供していたのは地味に予想外だった。
しかし瑛二くんもミギダリも幼少期ほんとそっくりだな。三人とも血が繋がっていたことに原作勢は前以て考察されていたのだろうか?
…なんか、怜子のことが嫌いになれなくなってきたな…
元より嫌いではないのだが(どちらかというと「こいつまじこえーよ」とネタにしている)、プラネタリウムでうっかりうと寝していたのは珍しいアホ要素なのだが、完璧主義らしからぬ珍しいお茶目っぷりに瑛二くんが妙に嬉しく感じていたのはわかりみがある。「この人もこういう場面になるんだな」「なにもかも完璧じゃないんだな、頑張りすぎるとこうなるんだな」的な。
先週ラストは瑛二くんラスボス化なんじゃないかとハラハラさせられたのだが、そんなことはなく、寧ろ怜子の完璧主義故の母親らしい一面(美点)、そんな怜子を幼少期から見続けてきた瑛二くんの尊い親子愛が見られた。
怜子がやべーやつなのは決して無視も帳消しもできないが、こんな意外な一面があっていいだろうと自分の中で解釈が一致している。心中を図るのも、せめてあの世でやり直したい想いがあるのだろうか。今度は共に完璧でありたい、と。
◆復讐
わざわざこの場に戻ってきてまで復讐しにやってきたダリ。尤も瑛二くんは自らの手で最期を迎えるつもりなのだが、やはりそれでは納得できないのだろう。自分の手で復讐しなければ母も報われないのだろう、と。
一方ミギはマリオみたいにケツが燃えていた。シリアスまで燃やすんじゃあない!!
復讐とはなにも相手の息の根を止めることだけではない。
そんなダリの宣告は「無様に生きろ!!」。これが彼にとっての復讐だったのだ。
…復讐劇への良きアンサーだな、と思います。
別にこちとら「復讐はもうやめた」でも構わないのだが、ただそれだとミギダリはまず納得しがたい。なにより実の母を殺された相手をそう易々と赦せるのは無理がある。
だが、瑛二くんの事情を知り、彼の心情を汲み取った結果、殺すのではなく「無様に生きる」は良い気味となった。ミギダリの清々しい復讐にして決着、瑛二くんへの救済になっている。寧ろ勝手に死ぬのは勝ち逃げみたいなものだからな。
◆意外
シャンデリラ落下はひぐらしのトラウマを思い出すからやめろ。
二度目の脱出パートはゲームのQTEみたいな殺意が襲い掛かってきたが…
!?
み、みっちゃん………ですか??
あっこれみっちゃんだわ。間違いなくみっちゃんだわ。
なんだかよく分からないが、みっちゃんの残留思念的ななにかが突破口を開いてくれた。掃除機でなんか吸い取ってくれた変なムーヴが特にみっちゃんらしいなと確信できた。まさかの意外な形での思わぬ助っ人だった。
なんだろう、みっちゃん本当に死んじゃったんだなあ…と哀しくなってしまったけれど、同時にみっちゃんの意志が失われずにいたのが強キャラなのを保持されたようだった。もっと言うならば、死後も残留思念的な何かで助けに来てくれるよなって説得力が凄まじい。いやこうなることは全然予想できなかったっていうか、ファンタジー係数高いんだけどさあ!!
三人を見届け、この世から去っていくみっちゃん。ありがとうみっちゃん。さようならみっちゃん。本当に貴方は有終の美を飾ってくれたよ…!
◆理想
くっそおおお…
みっちゃんの活躍に次いで、こんなもの見せられたらもう涙がダムの放流どころじゃねえって…こんな優しい世界泣くしかねえって…
それは有り得たかもしれない未来。
どのみち瑛二くんは怜子を刺殺してしまったし、このまま自首して罪を償うことになった。だからこのような理想の光景が見られるとしても数年後になるかもしれない。全員集まるかどうかは断言できない。夢物語に過ぎないのが大変もどかしい。
だけど、そんな夢くらい見せてほしいよな。
瑛二くんが怜子殺害や発火だけでなく、みっちゃん殺害の責任も背負っていると猶更弁解してやりたくなる。包丁の指紋検出で色々ツッコまれそうだが、すべて責任を負うつもりなのだろう。だからこそ、瑛二くんを救いたくなる。
だから次回最終話でこそ、大団円を物語るように、改めて瑛二くんが園山家へ迎えられる日が来るんじゃないかなとぼくは信じている。見たいんですよ。本気で。
ダリの左頬に火傷痕。
ミギも右頬に火傷を負ったのかもしれない。やはり一生治らないものなのだろうか。今になって双子なことを秘匿する必要性はもうない気がしてきたが、いよいよもって言い逃れができなくなってしまった。
ただまあ、個人的には火傷痕は勲章のようなものと見て取れる気がする。現役中学生だしカッコイイと中二要素と見て取れるかもしれない。勿論畏怖として捉えられる可能性もあり得るが…本作のことだから是非喜劇の為に活かしてほしくある。
次回最終話。尺的には全然余裕のあるエピローグになるでしょう。こいつらとの別れが寂しいな…胸中にぽっかり穴が開くような喪失感を期待しています。
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