【鵺の陰陽師】「知らないギャルゲーのコミカライズ」という秀逸な表現を言語化実験
◆今週も最高
今週も『鵺の陰陽師』は超最高だった永劫定期超希望。
もうどれくらい最高だったかは、上の画像がすべてを物語っているとしか言いようがないくらいにだ。
最初不意打ちすぎてクッソ笑ったんだけども、いやしかしマジにこの人と感動を分かち合える感動すら覚えたくらいに今週は素晴らしかった。川江先生は読者が求めている・見たいものをちゃんと描いてくれるからマジに信頼できる、期待の新人作家である。単行本は5冊購入する予定だ。
そんな今週は、ヒロインのひとり・代葉ちゃんとの10日後のリベンジマッチという大きな目的。そして海でのちょっとしたイベントに参加という、二つの展開を提示させた。まずは読者サービスも兼ねた後者優先ということで、とても積極的に海に行くキャラだとは思えない代葉ちゃんをそうさせるきっかけを作るような回だった。
ぶっちゃけると、ギャルゲーみたいな個別イベント回だ。
今週誰かが「知らないギャルゲーのコミカライズ」という例えをしていたのだが、ものすごくしっくりくる言葉だった。良い響きだ。ジョルノ・ジョバァーナと肩を並べたいくらい夢がある響きでマーベラスだ。
ぼくはいちゃらぶエロゲが大好きなので、年に何本か買ってプレイしているくらいなのでクッソわかりみある。実際この漫画は現時点でメインヒロインは三人いるからな。
隠し攻略キャラはもちろん膳野くんと消えろちゃんである。
………実際、『鵺の陰陽師』って学園バトル系エロゲっぽいんだよな。
なんでエロゲなんだよまた変な幻妖に取り憑かれてんのかコイツというツッコミは、次項でギャフンと言わせたる。
◆『鵺の陰陽師』にある意味近い作品
『鵺の陰陽師』はエロゲブランド・CRYSTALiAのKATANAシリーズに近いのではないかとぼくは常々考えている。
簡潔に述べると、「戦う女の子!」「ガチバトル!」「それでも恋はするよ!」といったコンセプトが強めのバトル系エロゲをリリースしているエロゲメーカーだ。最近は『RE:D Cherish!』という学園モノではない新シリーズを手掛けているが、ぼくは好きなエロゲメーカーなので贔屓にしている。ぼくはいちゃらぶが大好きなので贔屓にしている。
中でもぼくが一番好きな作品はデビュー作の『絆きらめく恋いろは』(略称『めくいろ』)である。『鵺の陰陽師』ほど直球ではないが、おっぱいがでかい女の子は勿論数名いるし、発売から5年半経った今でも大変お世話になっている。なお現在FANZAでは2023/08/17 23:59 まで1,500円で買えるセールが開催中だ。
あと(流石に全年齢対象のヤツではないが)ASMRがDLsiteでも出ている。川江先生どうすかどうすか、先生もぼくみたいな異常ASMR愛者なんでしょう?
CRYSTALiA作品は学園バトルラブコメラノベのソレに近い。思えば『鵺の陰陽師』も当初はラノベっぽいとは言われていたな。
CRYSTALiA作品は何作か、エロを抜いたCS版がプレステ4やニンスイでも実際にリリースされている。そこから察せられる通り、ぶっちゃけエロ要素はそこまで濃い目ではない。エロゲ初心者にもオススメできる、初々しい健全な類のほうだと思っている。
というか、エロゲにしては演出に力を入れたバトル重視の作品だ。勿論ラブコメ・いちゃらぶ1にも力は入れているが。
バトル:ラブコメ=7:3の割合だと思っている。
………一方、『鵺の陰陽師』はというと。
変なギャグ:5割
バトル要素:3割
ラブコメ:2割
全然あってねーじゃねーか!!!!!!!!!!!!!!!!
つーか変な要素多すぎんだよこの漫画!!
先週8話のバトル回はくっそ面白かったけど、ゼノブレードがやはり変な要素に結びついちゃうし!インドアゲーマーの鵺さんらしいけれど、それでもまだ変なのは拭えないし!ほんとこの謎感覚鵺だよな。
いちおうギャグ主体のギャルゲー・エロゲはあるっちゃあるけども(ex.タカヒロ作品)、それとバトルとラブコメを絡めたものって案外思いつかないなあ………
いや待てよ、『ぬきたし』があったわ。
モブのノリが膳野くんたちみたいにハジけてんだわ。
作風は全然違うけど。きわめてぜんぜんちがうけど。
でも川江先生は確実にやってそう。
オススメされたら巻末コメントに「孕めオラァ!」って書きそう。
えーとですね。
話をKENZENに戻すとして。
「学園」「バトル」「ラブコメ」といった概念は、まさにCRYSTALiA作品に通じるものがあるとぼくは真面目に考えているんですよ!『鵺の陰陽師』における「幻妖」というオカルト要素はないけどさ。
どちらかというと「幻妖」に関しては『Fate』『Dies irae』あたりの学園伝奇モノに近いだろうか。しかしそれら二作はあまりラブコメ要素は強くはないので、雰囲気的には『CRYSTALiA』の作品が近いかなと考えている。じゃあ足して2で割ったという表現は………分かるようで微妙だな。
◆デフォルメキャラ
更なる根拠として、デフォルメキャラも押さえておきたい。
要するにちびキャラみたいなものである。簡略的に描かれているケースが多いので、作画の省エネも兼ねているのだが、実はこれ、どれだけ可愛らしくシンプルに描けるか、簡単そうでかなりのセンスを求められている。
『鵺の陰陽師』のデフォルメキャラはもれなくかわいいし愛らしいのでここにも注目していただきたい。この要素もやはりギャルゲーっぽい。そのうちアクリルキーホルダーや缶バッジ等のグッズ化もイケそうだ。
特に今週第9話はデフォルメが多く見られた。どれもかわいくてとても甲乙つけづらく、今回どれを一例に紹介しようか厳選するのに戸惑ったので、是非キミのお気に入りを見つけよう。
CRYSTALiA作品もデフォルメを多く採用している。
これもウリのひとつと言っていい。看板絵師・ぺろ先生が描くデフォルメキャラはとてもかわいくて魅力的だ。
ぺろ先生の瞳の描き方は『鵺の陰陽師』と少し似てる。皆が気づかなくてもぼくには分かる。
まあぶっちゃけ、デフォルメはエロゲやギャルゲーに超必須だな。
特にいちゃらぶ系においては殆どと言ってもいいくらい起用している。更なるかわいさを引き出す要素でもあるのだ。この手のデフォルメイラストはゆずソフト作品では常連のこもわた遙華先生が最も有名だろうか。
◆逆にギャルゲーとイメージしてみよう
最近のギャルゲー・エロゲのコミカライズ作品はあまり読んでいない。
最新刊3冊買った異常漫画版ぬきたし愛読者ではあるが、じゃあその『ぬきたし』の漫画版を一例に挙げてみると、あれはゲームの知識ナシに単独作品として楽しめる、というかゲームと導入が異なっているので、寧ろ新鮮味があって楽しめる作品でもあった。実用性もあるしな(ヌッ)
ぬきたしはいいぞ。
翻って『鵺の陰陽師』。これをギャルゲー化すると、だ。
地の文章がどうなるかは分からないが、エロゲ・ギャルゲーっぽくイメージしやすいのはなんとなく分かる。画面上部~中部にキャラクターがバストアップ。画面下部にメッセージウィンドウ。画面端にはSKIP、AUTO、SAVE、LOAD、Twitter共有ボタンetc…
そして名シーンと思われるシーンは当然のごとくスチル回収されるわけだ。あのシーンとかあんなシーンとかをだ。おおっ、意外とイメージしやすいぞ。そう、こんな具合に…
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いかがだっただろうか?
いかがもなにも、「自分の好きなエロゲがセール中なのをただみんなに伝えたいだけでは…?」「ぬきたしのダイマしたいだけでは…?」と思われた方は数割いるかもしれない。ただ今回なんとか自分なりに言語化できた…とはいえ、まだまだ足りない気がする。
そりゃまだ9話までしか連載されていないしな。随分濃い9話だよホント。
ジャンプ作品の公式ギャルゲー化だなんて最近は全然見なくなってしまったし(2014年にPSVitaで出た『ニセコイ ヨメイリ!?』が最後だった気がする)、そも本作はいちおうバトルがメインであるはずの漫画なのだが、今週のようなラブコメ要素が大ウケならば可能性はあるのかもしれない。分からない。モナドを手に入れて未来視するしかない。
そろそろ異常鵺愛者の有史がDLsiteで同人ゲーム作っても良い頃合いだと思う。