『バンオウ-盤王-』第51話「凌ぐ月山」感想 凌ぐ月山さん、同族嫌悪の七島名人、ハイパー賢者タイムお兄ちゃん
◆凌ぐ月山さん
1月5日(金)に『バンオウ-盤王-』の最新第51話が配信された。
先週に引き続き、月山さんと七島名人の攻防は続く。一撃必殺を狙うも、それを絶対に凌ぐ頑なな意思の月山さん。先週も一手で戦局を極めるような雰囲気作りがよく出来ていたが、今週も殺意の感じる将棋の雰囲気と比喩描写が巧い。
今週も実況解説役のナカムラさん。それを真似するアンナさんかわいい。ナカムラさんはアンナさんに毛が生えた程度の実力とネタにされてしまったが、案外それがしっくりくるというか…いやほんとにそんな実力かどうかは分からんけど、「語り部は特に実績遺してなさそうなこの人でいいのか??」と首を傾げたくなるし。
◆同族嫌悪
見事に同族嫌悪じゃねーか!!
盤に感情をぶつけるのも共通点だしなあ。月山さんは正、七島名人は負のベクトルだろうが、刀を振るうような攻防を長々と繰り広げていると最早好敵手のように見えてくる。
こうも月山さんと似ている要素があると、なんだかんだで和解オチに期待できるのでは?だがこれまでも散々書いたように、それがどんなものなのか予想できないわけで…まじでヴィジョン見えねえんだよなあ。
七島名人めっちゃ拗らせてんな!!
それをわからせてくれる、闇のオーラを纏ったような一手。将棋漫画らしかぬ光景だが、現実では重い音が鳴り響いているのが想像できる。それほどに七島名人が負けず嫌いなのを悟らせてくれる。
めっちゃ黒いトコを曝け出しているのに、寧ろ今週も清々しく感じられるなあ。嫌いとは言うけれど本気で大嫌いではないかなと思う。また再戦してもいいんじゃないか的な。「今度は俺が負かしてやる」という熱を出させるような。
◆お兄ちゃん賢者タイム
先週過去最高にヤバかったお兄ちゃんがなんか冷静になっていた。うわあ!いきなり落ち着くな!
勝っても負けてもどちらもヨシ、それ故の断腸の想いだったが、「もっと闘いが見たい」という理由で月山さんの勝利を願望。わかりみのあるアンサーだ。つーか仮に新堂竜王との勝負で負けたら泣いてそう
だが今週いきなり錯乱や知性の欠如(常に知性があると言ってるような表現やんけ)を自覚していると賢者タイムみたいに見えてくるんだが??
…助けは特にいらなかったですね。
◆反撃開始
七島名人の攻めは一向に止まらない。
だが、それでも対等に戦えていると自信を持つ月山さんのメンタルの強さを痛感させられる。良いなこの自信の持ち方は。
やはり伊達に300年以上棋士やっている将棋ジャンキー故にこうなる説得力があるというか、逆に月山さんがここで心が折れるのはどうしても解釈違いを疑ってしまうんだよな。勝機への糸口は未だ見えてこないとはいえ、間違いなく活力が湧いてくる瞬間だった。精神論と言えばそこまでだが、こちらも感覚的に対等の勝負を実感できる。
反逆の一手が振り下ろされるのは前以て予感していた。
それでいて早く一転攻勢が見てみたくなる、クッソ絶妙なヒキの作りだった。
しかもこれで次回休載なんですよ!続きは2週間後ですよ!まあ年末年始の関係もあるし、逆にそろそろ休載を入れてもいいのでは…とちょっと心配になっていたからこのタイミングで休載は正しい判断である。が、それでも良い所で終わりやがった!ちくしょう!このジレンマちくしょう!
今頃お兄ちゃんも悔しがっているだろうし再び月山さんに助けを求めるでしょう。間違いない。
春夏冬先生カラーまでアップしててサービス精神たけえ~!