【チェンソーマン】第二部連載1周年!現在の正直な感想(第98話~第135話まで)
◆早いもので1年経過
2022年7月13日(水)より連載開始された『チェンソーマン』第二部。
早いもので連載から一年が経過した。
コケピー鬼よええとか田中脊髄剣からもう一年かあ…
公式からは特に連載1周年を迎えたことによる何らかの告知は特に発表されていないのだが(そろそろ第3回人気投票やってほしいよね)、せっかくだからこの激動の一年を振り返ってみることにした。
週刊少年ジャンプから少年ジャンプ+に移籍となった本作。
基本的に毎週19ページ掲載のジャンプ本誌とは異なり、ページ数を自由に決められたり、開幕1ページ目から見開きを描けるようになったり、タツキ先生の任意のタイミングで休載を挟めるようになったりと、第一部よりも自由度が高まった印象だ。今後もWeb誌ならではのギミックに期待しよう。
ただその分休載が月1,2は挟まってしまった。
去年の連載開始から現在にかけて38話分掲載。本誌時代(第一部連載時)は一度も休載がなかった。ジャンプは年48冊刊行なので、年に48話は掲載していたわけだ。現在の連載ペースは本誌時代から2割程度減になったが、今の時代自由に休めるときは休めるのがベストなので、タツキ先生のペースにお任せしよう。つーか、0時更新だから考察しながら感想書く時間も相まって毎週寝るのが遅くなるしな。
昨日はセンチメンタルドライブ歌ってテンション上がりまくって3時頃にようやく寝たしな。
◆正直な感想
「面白いんだけど、第一部ほどの熱気とテンポの良さはない」
「壮大に風呂敷を広げている現在の過程は面白い」
「月1,2休載も相まって勢いは落ちてしまった」
「ヨルさんはおもしれー女だけど、アサちゃんは沼れる子ではない」
「吉デン最高!!吉デン最高!!オマエも吉デン最高と叫びなさい!!」
ぼくにとって『チェンソーマン』は今まで読んできた漫画の五本指に入るくらい糞好きだし、今でも神漫画だと思っているし、今でも毎週配信日直前はFireHD10に張り付くように全裸待機している。デンジくんがモテていることに感涙しながらテレビに顔面くっつけるように待機している。
だからこそ、パワーちゃんのような虚言癖完全カットしてまでな正直な本音が上に挙げたそれらである。もっと言うならば、どうか神漫画のままでいてほしい。今のところ、この第二部は名作からワンランクダウンしての良作止まりになってしまった。
第一部は今でも読み返すことは多いのだが、第二部はそれほどでも…の範囲。まあそれでもガバ考察の際は積極的にサルベージしている。
とはいえ、勘違いしないでいただきたいのは、決してぼくの熱が冷めていないことだ。十分ある。十分面白い漫画だから。少なくとも、第一部の頃と比べると落ちているのは事実だと伝えたい。
◆少年漫画と青年漫画のあいだ
『チェンソーマン』は少年漫画にしては過激な描写が多く見られたため、ジャンプの中ではかなりの異色作であり、青年漫画雑誌連載でも別におかしくはない。他の媒体を選ぶなら、ジャンプSQが一番ふさわしいのかもしれない。尤も、タツキ先生の初連載作品『ファイアパンチ』は元々SQで連載予定だったという逸話があったが。
けれども分かりやすい目的の提示・ボスキャラの配置、クッソかわいい主人公デンジくんの成長過程など、しっかり少年漫画していた。ちゃんと友情・努力・勝利もあった。なにより、少年漫画に一番大切なことである「主人公を読者の期待通りに活躍させること」が最高によくできていた。岸辺先生のように言うならば、100点満点である。ほんとうにそれである。
翻ってこの第二部。
第一部よりも暗い、青年漫画寄りの作劇になった。
元々第一部からハードな世界観であり、バカかわいいデンジくんがいるおかげで陰鬱な雰囲気がブッ飛ぶ塩梅の良さがあった。
だがしかし、第二部の新キャラにして主人公・三鷹アサの悲しい境遇・明るいとは言い難い性格といい、少年漫画とはとても言い難い作風に一変ししている。
これがジャンプ本誌で連載続行ならアンケは急落してしまうかもしれない。少年漫画の要素は決してなくなったわけではない(各章ボスキャラの存在、デンジくんの更なる成長描写)のだが、その要素は大分減ったし、正直な話、第一部と比べるとカタルシス溢れるシーンは少なくなってしまった。そこに物足りなさを感じなくはない。
だが、これこそタツキ先生がやりたかった作劇なのだろう。
少年ジャンプ+の他にもまさにジャンプSQが向いていそうだが、個人的には週刊少年ジャンプとアフタヌーンのはざまだと考えている。単にタツキ先生がアフタヌーン読者だからという安易な考えはなくもないのだが、そこで連載していてもおかしくなさそうな雰囲気がある。
◆第二部主人公・三鷹アサ
第二部の主人公は単行本巻頭の登場人物ページからして三鷹アサであり、デンジくんは前作主人公といった扱いになっているのだが、個人的にはW主人公として見ている。
しかし、ここ最近の数話はデンジくんの出番・活躍が多いのもあるのだが、主人公にしてはアサちゃん(+ヨルさん)にめぼしい活躍が見られないのがカタルシス不足だと考えている。いちおう主人公らしく活躍したのはエンドレス水族館編(14巻収録)くらいなのだが…
アサちゃんもデンジくんのような成長型キャラだとは思うのだが、暗い性格なのは今でもなかなか変わらない。まあ、シリアスな事ぁすぐ考えなくなるキャラになるほうが不気味だしカテエラ極まりないのだが、アサちゃんメイン回よりもデンジくんメイン回のほうがやっぱりダントツでテンションしちゃう、嬉しくなっちゃうのが正直な感想だ。
そんなわけで、アサちゃんはそんなに好きにはなれていない。
好きになる可能性は秘めている。おもしれー女ではある。実際エンドレス水族館編での活躍は「おお~ええやん。気に入ったわ!」の精神になれたし、そのまま成長してくれ…と期待するも、テンション右肩下がりの流れになってしまった。
あ、相棒?ポジのヨルさんは大好きですよ。最新話もアホの子だったし。
とまあ、そんなふうに最近のアサちゃんの活躍不足に不満を抱えている中この記事を数週前から書き綴っていたのだが、最新話で世間から大きく注目を集められるほどスポットが当てられたので、これは今後の展開に期待したくなった。
正体がデンジくんだと知らずにチェンソーマンの助けになりたいアサちゃんだが、そのせいでデンジくんの霊圧が薄くなりそうな皮肉がどうなってしまうのか。
チェンソーマンがアサちゃんの頭部を切りつける1stキービジュアルの回収もそう遠くはないのだろうか?
◆美しすぎる構成
チェンソーマンは単行本の構成を強く意識した漫画だと思われる。
第一部の中盤から終盤にかけては各シリーズとも単行本1,2巻で綺麗にまとまっているのが特徴的だ。
内訳すると、5巻中盤からはじまり6巻で完結を迎えたレゼ編。18話という話数なのに色々濃すぎる刺客編(7~8巻)。残酷な結末を迎えた中に強く残る余韻・銃の悪魔編(9巻)。すべての黒幕の出現、そして決着を迎える終盤(10~11巻)。
こんなにも単行本を意識して話数調整している漫画は珍しい。ジャンプは基本1話につき19ページだし、2年間休載なしでそれをやってきたタツキ先生は本当に超人なんじゃないのかと尊敬の意を抱くしかない。
第二部は今のところそんな構成には至っていない感じ。
12巻はデンジくんと吉田ヒロフミ先輩がカフェでメシ食う話で終わり。13巻はデンジくんがアサちゃんから水族館デートに誘われるところで終わり。14巻は落下の悪魔出現直前といったところで終わり。
元々ヒキが強い(続きが気になる)話が多い本作なので、単行本派の方にとってはあらゆる謎も相まって「次巻どうなるんだ!?」という構成にはなっている。
まあ、現時点では3巻分しか刊行されていないし(※15巻は来月8月4日発売)、第一部も1~5巻は似たような単行本構成になっているのだが。
◆第一部よりも多くなった謎、複雑な群像劇
第二部は謎と勢力が多い。
個人的にそこが魅力だと思っているし、とてもワクワクさせられているのだが、謎を配置することに重きを置いていて、謎の解決はあまり解明されていない、そんな段階だ。
箇条書きマジックではあるが、情報整理も兼ねてまとめておきたい。
とりあえずこんな感じか。
チェンソーマンは第二部で幕を閉じるのか。第三部もあるのか。
そこまでは分からないが、デンジくんとアサちゃんが幸せを見つけるハッピーエンドは目指してほしい。ぼくはそれを第一の目的として読んでいるまでもあるのだから。