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『バンオウ-盤王-』第59話「新堂竜王の底」感想 腹痛でも顔色を変えず対局!?なんだこの変態棋士は…たまげたなぁ


◆竜王の謎

3月15日(金)に『バンオウ-盤王-』の最新第59話が配信された。

新堂竜王の若き日、四段の時代から回想された今週。この頃からポーカーフェイスなのは変わらず。これを見抜いたのは月山さん以外に何名かいるのだろうか。敗北確定かと思わせて一転攻勢による勝利、この予想だにしない結果も含めて注目され始めたのかもしれない。

今週屈指の超絶変態エピソード。
新堂竜王が対局後に盲腸で救急車に運ばれたというのも心底意外だったのだが(なんでだろうね具体的に知りたい)、激しい腹痛に見舞われながらポーカーフェイス状態で対局を続けていたとか、いやあの、なにそれ…こわ…

地震発生時も何事もなかったように対局し続けていたのも強キャラ感が伝わってきたトンデモエピソードだったが、月山さんですら「こんな人間自体見たことがない」と断言したのも納得しかない。とんだ変態すぎんだろ。便意とか余裕で堪えているんじゃねえか?流石の藤井くんもそこまでは無理だと思う。うんこは魔王でも我慢できないのだ。

これ、めっちゃわかりやすい強キャラアッピル&キャラ造形ですごく良いな。「盲腸」という身近な障害を余裕で乗り越えているのがもうヤバイ。人間離れしている。それにやりすぎ感はあるものの、ラスボスだからこれくらい盛っても全然良いよねと大歓迎しちゃう。
まあ、それくらい将棋ジャンキーなんだろう。月山さんに通じる要素として。…流石の月山さんは背後の窓から差し伸べる太陽光には気になって仕方なかったのが凡才の証明でしたね。

これが腹痛を堪える人間の姿…!もう全然こうなってもおかしくないよ~!こわいよ~!

◆解説

七島名人と町野四段のダブル解説。町野四段がおまけ呼ばわりされたのは一般の方からも「なんでこの人が?」ってなっているのだろうか。…いつか不憫枠から大物になれることをお祈りいたします。

かつて一度交えた公式戦では首を垂れるしかなかった天草先生は語る。七島名人に続き、数々のネームドが徐々にハードルを上げてくれる。一体どんな苦しい戦いだったのか気になるなあ。
しかしここで戦えない悔しさをひとり打ち明けていると天草先生もジャンキーの部類なのだろうか。やはり負けられない気持ちはあっただろうなあ。

◆最善手

アンナさんきびしいな~!AIというカンペで講釈を垂らしていると他人の褌に頼っているようでなんか癪に障るのは分からなくはないのだが、あくまでAIは参考程度に留めたいし、個人的には「あったら嬉しいな」という所感だ。つーか変などころで毒を入れてきたな。

一転攻勢を期待せざるを得ない、静かなる一手を打つ1ページ。

仮面が割れた!!
月山さんが仕掛けたのは5四飛。「精神的に強く出れない局面なのに」という台詞から一か八かの賭けに走ったといえる。

変な話、今週は『逆転裁判』のような読後感があった。
今回の5四飛は新堂竜王の表情を崩すのを試みるゆさぶりとして機能していたと考えられるからだ。その結果が仮面パリーン、効果ばつ牛ンなのは確定的に明らかである。
とにかく戦況を読むための判断材料が今は欲しい。その為の賭け。将棋わからん勢のぼくとしてはそういった感覚で楽しく読んでいた。

このラストバトル、少しずつ仮面を剥ぎ落すように新堂竜王を攻略して表情を崩すコンセプトというだけでも没入感あるな。もうすでに楽しい。そして何故新堂竜王はこんなポーカーフェイスになれるのか、人物像が気になって仕方がない。

来週は休載。担当編集の杉田氏のインタビューによれば、マジでこの戦いで終わりのようなので、暑くなっていく時期には完結を迎えてしまうのだろうか。もう既に戦いはアツくなっているのだが。

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