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キャリアの8割は偶然
ページを見てくれてありがとうございます。
『メンバーのキャリアに関しての悩みに、マネジメント者としてどう向き合うか』シリーズの第四回です。
『自分のキャリア、このままでいいのだろうか?』そんな不安を抱える人は少なくありません。実は、私もメンバーたちと話しながら、何度もこの問いと向き合ってきました。
このタイトルの記事では、彼らに伝えてきたアドバイスや気づきを少しずつシェアしていきたいと思います。誰かの参考になればありがたいです。
意図したミッションにつけない
チャレンジ制度や立候補制度というものが、弊社にあり、基本的には手を上げてやりたい仕事へ挑戦する機会を大切にしています。もちろん複数人が同じミッションに手を上げることも多くなく、競争率は高い。そのため、立候補しても意図したミッションにつけないケースも発生します。私も過去手を上げて3回、競争に敗れたときがありました。勇気をもって意思表明し、ダメだった時のショックは大きいものです。
そんなときに一部のメンバーからはこのような声をもらうこともあります。
「今回だめだったので、社内に自分のやりたいことはありません。転職しようと思います」
軽い気持ちでのチャレンジではなかったがゆえの言葉だと思いますが、それはそれでもったいないと私は思うのです。そんな時、『計画的偶発性理論』を伝えます。
計画的偶発性理論
計画的偶発性理論とは計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)とは「予期せぬ偶然の出来事への柔軟な対応が、結果的に自身のキャリアを築く」という考え方です。
計画的偶発性理論は、1999年にスタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授により発表されたキャリア理論です。
クランボルツ教授の調査によると、キャリアのターニングポイントが「予期せぬ偶発的な出来事」だった人は多く、成功を収めたビジネスパーソンの8割にのぼることが判明しました。つまり、多くのビジネスパーソンは自身が思い描いていたキャリアではなく、予期せぬ出来事により軌道修正されたキャリアで成功したことになります。
計画的偶発性理論では、次の3つの考えが軸となっています。
予期せぬ偶発的な出来事がキャリアに影響を与える
偶発的な出来事への柔軟な対応が、新たなキャリアを開くことがある
偶発的な出来事に出会うチャンスは、積極的に行動することで増加する
偶発的な出来事には、キャリアアップのチャンスが潜んでいることになります。予想外のことがことが起きても、それに向き合い、柔軟に対応することで、キャリアの選択肢が増えることもあるのです。
キャリアアップは偶然の出来事から
私も過去にチャレンジし、意図したミッションがその時はできなかったことはあります。しかし、その勇気を出しチャレンジしたことと、チャレンジに至るまでに実施してきたこと、経験、内省したことは、意味があることでした。
その時ダメであっても、どのような出来事も肯定的に捉え「これはチャンスだ」と楽観的に接し、自分の足りなかった部分の指摘や改善を素直に受け入れることは、偶発的な出来事をキャリアにつなげるカギとなっていきます。
まとめ
先に述べたとおり、クランボルツ教授の調査によると、成功者のキャリアにおけるターニングポイントの8割が「偶然の出来事」によるものでした。つまり、偶然の出来事により、その後のキャリアが開かれたわけです。
環境や社会情勢が変動している現代は、自分が意図した目標の達成が難しく、目指す姿に最短で到達しないこともあります。従来より偶然の出来事が起きやすくなっているからこそ、固執しすぎずに、大枠の方向性や大事にしたい軸を定め、その中で自分のキャリアをしたたかに、対局の中で磨いていくことが重要になるのではないかと思います。
未来のキャリアは「自分が決めていく道」と、「他人が見てくれていて指し示す道」があると思っています。組織人である以上、ほとんどの方は後者の中で、キャリア形成をしていく形が多いと思います。であればこそ、今ここで何が出来るかを考えていき、計画的偶発性理論に任せるのもアリではないかと考えています。
ぜひ参考になれればと思います。
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