旅行記×機材レビュー | GRⅢとGRⅢxで撮る2週間のヨーロッパ旅行
こんにちは、こんばんは、Harushikaです。
9月に久々の海外旅行でヨーロッパを訪れ、 🇩🇪ドイツ、 🇨🇭スイス、 🇮🇹イタリア、 🇦🇹オーストリア、 🇨🇿チェコを約2週間かけて周りました。
まだ学生だった頃に訪れて以来、約10年ぶりのヨーロッパです。あの頃と比べて変わったことは多くあります。社会人になったこと、地元から東京に出てきたこと、彼女が妻になったこと。そして、写真を好きになったこと。
10年前もデジカメやスマホで写真を撮ってはいましたが、今と大きく異なるのは、写真に対する気持ちです。以前は記念や記録のために撮っていましたが、今は好きだから撮っています。写真やカメラに関する知識を得て、こだわりも持つようになりました。
旅と写真が好きな自分にとって、海外旅行ほど写欲をそそられるものはありません。しかも、ヨーロッパのような遠方へお金と時間をかけて行ける機会は稀です。
そんな旅の相棒に選んだのは、リコーのGRⅢ HDFとGRⅢx HDFという高画質なコンパクトデジタルカメラ。この旅行を見据えて購入したとっておきの2台です。ちなみに両者の違いは画角のみ。xの付いていない方が少しだけ広角です。
今回は、旅行記と機材レビューをミックスしてお送りします。
単に写真を添えた旅行記を書こうとも思ったのですが、この旅ではGRIII HDFとGRⅢx HDFをかなり使い込み、使用感や性能について感じたことが多くあったので、せっかくならカメラのことも語りたいと思い、この形になりました。その方が普段はモノに関するレビューが中心である自分のnoteらしさもありますし。
メインは旅で周った各地で印象的だった出来事について述べる旅行記の形で進み、所々にGRⅢ HDFとGRⅢx HDFについて感じたことを挟んでいきます。なお、カメラのスペック的な部分にはあまり触れず、実際に使い込んで感じた体験的な面を中心に述べるつもりです。
レビューに関する記述はグレー背景にしてますので、カメラには興味ないよって方は読み飛ばしてください。けど、写真はぜひ見ていってくださいね!
成田からフランクフルトへ
フライトは成田空港から。直行便でドイツのフランクフルトへ向かいます。出発前にオプションで申し込んだJALのサクララウンジを利用しました。長時間のフライトの前に広々とした空間でリラックスできるのは有意義でした。
フライト時間は約14時間、ロシアの上空を通過できないため、北極側に迂回するコースでした。機内食で提供された無印良品のカレーが美味しかった。
フランクフルト国際空港には17時頃に到着し、フランクフルト中央駅まで鉄道で移動しました。駅の地下から地上階に出たときに感じたのは、久々のヨーロッパの空気だなという感傷とともに、あまり雰囲気の良くない駅だなという感覚。後から調べてみると、フランクフルト中央駅付近の治安はドイツ国内でも悪い方だったようで。まあ、西欧の主要駅付近の治安はどこも良くはないと思いますが。
その日は駅構内でお腹を満たし、すぐ近くにある東横インに泊まりました。ヨーロッパに来てまで東横インに止まらなくても…と思うかもしれませんが、駅まで徒歩3分程度ですし、ブッフェ形式の朝食が美味しかったので普通にオススメ。
10年前にミュンヘンを訪れた際に飲んだPAULANERのMUNCHNER HELLというビールが売っているのを見つけたので買って飲みました。記憶の通り美味しかった。日本でもカルディとかで気軽に買えるといいのに。
翌日の朝、スイスのチューリヒに向かう列車に乗り込みました。
チューリヒ
チューリヒ中央駅に到着したのは昼過ぎ。その後は特に目的もなくのんびり散歩しました。市街地の規模はさほど大きくなく、メインの観光スポットは全て徒歩圏内。中世の街並みの中に教会や広場があったりと、ヨーロッパらしい空気感を十分に感じられました。
リンデンホフの丘というチューリヒの街並みを見渡せるスポットがあり、昼と夕方の二度にわたって訪れました。夕暮れの景色の方がお気に入り。少しずつ暗くなっていく風景をベンチに座って眺める時間がとても心地よかった。派手な都市ではないですが、暗くなっても街の雰囲気は悪くなく、安心して過ごせる良い場所でした。
スイスといえば物価の高さ。ビックマックが世界でいちばん高い国とも言われます。それはホテルを予約する際から感じていました。(相場はドイツの2倍くらいかな。)比較的リーズナブルな飲食店を探して食べたとしても、なんとなくガッカリする予感がするからと、食事は全てスーパーで済ませました。外食と比べると食品自体の値段はそれほど高くなく、駅前のCOOPというスーパーは品揃えも豊富でしたし、こっちを選んで正解だったと思います。
特に気に入ったのは、MÖVENPICKというアイスクリーム。どうやらスイスのハーゲンダッツとも呼ばれていたりするらしい。(値段もハーゲンダッツ級でした。)まろやかで濃厚でめちゃくちゃ美味しかったです。日本でも販売したら売れそう。またスイスを訪れたら絶対に食べたい。
チューリヒには1泊だけして、翌日の朝早くに列車でイタリアのヴェネツィアへ向かいました。車窓から見える湖と山々が美しかったです。
ヴェネツィア
ヴェネツィアに来たのは妻の強い希望からでした。僕は学生時代の一人旅で訪れたことがあり、二人の感動の度合いには差がありましたが、何度でも来たくなる場所であることは確かです。元ディズニーオタクの妻は「ディズニーシーみたい!」と感動していました。すかさず「逆だよ」とツッコミを入れておきました。
水の都ヴェネツィアはどこを切り取っても絵になります。写真を撮り始めると足が進みません。僕も妻も写真を撮るのに夢中でした。また、妻は外国語で他人に話しかけることに抵抗がない人間のようで、なんの躊躇もなく「二人の写真を撮ってくれない?」と何度も色んな人にお願いしてました。(撮ってもらった後、お返しにこちらも写真を撮ろうか?と忘れずに聞いてました。)
ヴェネツィアには2泊3日で滞在し、そのうち1日はヴァポレットという水上バスに乗って周辺の離島に行きました。ヴェネツィアングラスで有名なムラーノ島とカラフルな街並みが特徴のブラーノ島です。ヴェネツィア本島よりも時間がゆっくり流れているように感じました。キャナル沿いにある店のテーブルでコーヒーを飲む時間が至福でした。
話は少し変わりますが、先日、新婚旅行で初めてヴェネツィアへ行くという職場の後輩がいたので、日が落ちてからGoogle先生の道案内にそのまま従うと怖い目に合うと伝えておきました。僕と妻が夜8時過ぎにサン・マルコ広場へ向かう際、Googleマップに表示されたルートを辿ったところ、暗くて狭くて誰もいない路地を歩かされたからです。暗闇で突然誰かに襲われたりしないかと恐怖のナイトウォークでした。これからヴェネツィアに行かれる方、夜は目的地までの方向感だけGoogleマップで確かめ、できるだけ人通りの多い道を歩くのをオススメします。
怖い思いをして辿り着いたサン・マルコ広場の夜景は圧巻でした。レストランの前でバンドの演奏が行われており、無料で音楽を楽しむことができます。レストランの客に向けた演奏なのでしょうが、聞こえてくるのだから聞かない手はありません。光と音が印象的な夜でした。
サン・マルコ広場を楽しんだ翌日、これまでより少しだけのんびり起きて、列車でイタリアのボローニャへ向かいました。
ボローニャ
観光地というほどでもないボローニャへ来たのは、ボローニャ国際空港から飛行機でオーストリアのウィーンへ飛ぶためです。
ヴェネツィアで朝から夜まで活動して体力的に消耗していたので、外出は少し街中を散歩する程度にし、ホテルでのんびり過ごす時間を多めに取りました。
ただひとつだけ、ボローニャでやりたいことがありました。ボロネーゼを食べることです。ボローニャと言えばボロネーゼ発祥の地。せっかくの機会に食べないわけにはいきません。
選んだお店は地元民なら誰もが知っているというOsteria dell'Orsa。安くて美味しい人気店らしく、店の前には行列ができていました。本場のボロネーゼは、平べったい麺が特徴の食べ応えある一品。挽き肉の存在感と麺のもちもちした食感が印象的でした。まあでも正直なところ、日本で食べるボロネーゼも同じかそれ以上に美味しい。
ボローニャに1泊した翌日の朝、空港行きのモノレールに乗ろうとしたところで事件は起きます。やけに混んでるなと思ったら、モノレールはしばらく経っても動かず、どうやら故障したらしい。いやいや、そんなことある?
係員はイタリア語で説明してますが、何言ってるかさっぱり分からない。同じく巻き込まれた人たちが移動しだしたので付いて行ってみると、どうやら代替のバスが来るらしい。来るらしいんだけど、15分待っても来ない。ということで仕方なくタクシーで向かうことに。
タクシー乗り場も混んでおり、列ができていました。しかもタクシーがスタンバイしている様子はなく、ちらほら来るのを待つしかなさそう。けっこう焦ってきた僕の隣で、妻は周りの人に「空港行くなら相乗りしよー!」って元気に声をかけ、見事にベルギー人の男女2人組を捕まえてました。メンタルの作りが違いすぎませんかね。
4人でタクシーへ乗り込み、雨の中を空港まで向かいました。もっと入念に下調べしておけばよかったのですが、2人以上ならモノレールよりタクシーの方が1人あたりの運賃は安かった模様。最初からタクシーを選んでおけばよかった。しかもモノレールの運賃まだ戻って来ないし。
これを読んでいるみなさん、ボローニャの中央駅から空港へ向かう場合は、最悪なマルコーニ・エクスプレス(モノレールの名前)ではなく、タクシーに乗ってくださいね。
結果的には若干の余裕を持ってチェックインと保安検査を終え、無事にウィーンに着きました。終わってみればトラブルも良い思い出です。
ウィーン
曇天のボローニャから一転、ウィーンは快晴でした。午前中に起こったモノレール事件が嘘のような清々しさ。10年前に訪れたシュテファン大聖堂の前に立つと、当時を思い出してなんだか感慨深い気持ちになりました。
実は当初、ウィーンを観光する予定はなく、飛行機で到着したらすぐに鉄道でハンガリーのブダペストへ向かうはずでした。ところが、僕らがウィーンに到着する数日前、ヨーロッパを襲った100年に一度と言われる大雨によりドナウ川が洪水に陥り、乗る予定だったブダペスト行きの列車が運休となってしまいました。
ヴェネツィアにいる時点でその情報をキャッチしていたので、ブダペストに行けないことは残念でしたが、予定と気持ちを切り替えて10年ぶりのウィーンを楽しむことにしました。
数日前までウィーン市内も洪水に襲われていたとのことでしたが、中心街を歩く限りでは、その影響を感じることはありませんでした。空港から中央駅へ向かう列車が運休だったため、バスで向かうことにはなりましたが。
ウィーン名物のシュニッツェルを食べました。分かってはいましたが、びっくりするほど大きいです。食べ始めは美味しいのですが、だんだんと完食することに必死になってきます。最後は気合いと根性でなんとか食べ切ることができました。
ハプスブルク家の歴代皇帝が住んでいたホーフブルク宮殿の一角にあるオーストリア国立図書館を訪れました。なにかしらマンガやアニメのモデルになっていそうな場所です。
夕暮れ時、ドナウ川沿いを散歩しました。普段の姿を見たことはないですが、それでも通常より水に浸かっている範囲が広いだろうことは分かります。普段なら川を行き交っているであろう遊覧船も、全て川岸に止まっており、大雨と洪水の影響が見て取れました。
ウィーンには一泊し、次の日の朝、チェコのプラハへ向かいました。ウィーン中央駅から列車に乗ったのですが、駅とその周辺は10年前から大きく姿が変わっていました。どうやら再開発が行われ、駅舎も新しくなっていたようです。夜行列車を待ったあの場所がもうないのかと思うと、少し寂しい気持ちになりました。
プラハ
プラハで過ごす時間は当初の予定よりも長くなりました。ハンガリーのブダペストへ行けなくなり、プラハに滞在する日程を伸ばしたからです。
プラハに対する最初の印象は、スーツケースがめちゃくちゃ引きにくい、でした。今まで旅したヨーロッパの中でもダントツに石畳の凹凸が激しくてなかなか前に進まず、ホテルまで一苦労でした。しかし、逆に言えば中世の街並みが残っている証拠でもあります。何気ない道をただひたすら歩いているだけで楽しいような街でした。
ホテルのロビーには見覚えのあるモグラのぬいぐるみが置いてありました。幼い頃、母に何度も読み聞せしてもらうほど大好きだった絵本「もぐらとじどうしゃ」に出てくる主人公です。ここだけでなく、どのお土産やさんでも彼のグッズを見かけました。さすがはチェコの国民的キャラです。
プラハに着いたのは旅が始まってから1週間ほど経った頃。そろそろ洋食が嫌になってきたから米が食べたいという妻の希望で中華を食べに行きました。久々に食べたアジアの味はとてもおいしく、もう一度食べに行ってしまいました。米が恋しくなってしまうのは日本人の性ですね。
中華からの帰り道、ぼんやりと明かりが灯る建物を見つけたので、雰囲気にそそられて入ってみました。そこはプラハ・マサリク駅というプラハで2番目に古い駅でした。少し薄暗い駅舎はなぜか居心地が良く、しばらくの間ベンチに座ってボーッとしていました。有名な観光スポットではないのだろうけど、僕にとってはプラハで一番お気に入りの場所でした。
夜のプラハは、街灯のオレンジ味が強いせいか西欧の街とは雰囲気が違い、なんとなく旧共産圏の匂いがしました。夕暮れから夜にかけての散歩も楽しい街です。
歩きながら見る街並みも素敵ですが、高い場所から見下ろす景色も最高でした。街から少し離れた場所にあるペトシーン展望台。高台まで坂道を歩き、展望台の階段を登り、たどり着いた最上階からはプラハの街を一望できます。プラハでの滞在期間が伸びたからこそ見れた景色でした。
チェコ出身の有名なアーティストといえばアルフォンソ・ミュシャ。日本でもかなり人気がありますね。特にファンというわけでもないのですが、僕も企画展を見に行ったことがあります。そんな彼が手がけたステンドグラスがある聖ヴィート大聖堂を訪れました。プラハ城の敷地にある建物です。ミュシャが手がけたもの以外にも、聖堂内には多くのステンドグラスが施されており、360度どこを眺めても美しい場所でした。ステンドグラスの色が壁面に揺らめいていたのが印象に残っています。
プラハを発つ前日の夕方、カレル橋の端にある塔へ登りました。そこから見えたのは、カレル橋とプラハ城の向こうに夕陽が沈んでいく美しい景色。これを妻と一緒に見れたことは一生の思い出になりました。橋の上からは音楽が流れ、プラハ滞在の締めくくりに相応しい最高なひとときでした。
橋塔から夕陽を見た翌日、列車に乗ってドイツのベルリンに向かいました。
ベルリン
フランクフルトから日本へ帰る飛行機に乗るのですが、プラハからフランクフルトまでは時間がかかるため、途中でどこかを経由しようと思い、そこで選んだのがベルリンでした。
半日という限られた時間の中で、見に行ったのはブランデンブルク門とベルリンの壁という2大観光スポット。ブランデンブルク門に関してはあまり印象がないのですが、アートの描かれたベルリンの壁を1.3kmにわたって見ることができるイーストサイドギャラリーは見応えがありました。
ベルリンの名物だというカレーヴルスト。カレー風味のソーセージです。日が傾いた頃、アレキサンダー広場を眺めながら、そろそろ旅も終わりかと思いながら食べました。ファストフードですが普通においしかった。
ベルリンからフランクフルトへの列車がこの旅で最後の長距離移動です。初めて食堂車に行ってみました。人で溢れかえっているようなこともなく、とても居心地のいい空間でした。車窓から風景を眺めながらコーヒーを飲む時間はなんだか心が満たされました。
フランクフルト
帰りの飛行機に乗るため、フランクフルトに戻ってきました。何かあったときにリカバリーできるよう日程に余裕を持たせてフライトの前日に到着したので、フランクフルト市内を見て回る時間は十分にありました。
またも東横インに泊まった翌日、レーマー広場を見たり、ソーセージとザワークラウトを食べたり、お土産を買ったりして過ごしました。MyZeilというショッピングセンターは近代的かつ特徴的なインテリアをしていて写真を撮っていて楽しかった。けっこう建築物を撮るのも好きなんですよね。
近代的な建物ばかりのフランクフルトでは珍しく歴史のある建物らしいカフェ・ハウプトヴァッヘでアップルワインを飲み、フランクフルト国際空港へ向かいました。
これで旅も終わりかと思うと寂しい気もするし、日本でいつも通りの日常を過ごせるのが嬉しい気もします。矛盾した気持ちが入れ混ざった不思議な感情でした。住みたいとは思わないけれど、1年に一度くらいはヨーロッパを訪れたい。もっと気軽に行けたらいいのに。そういう環境に身を置けるよう自分自身が頑張っていくしかないかと思い、なんだか妙にやる気が出た長い帰り道でした。
終わりに
雨の中フランクフルトを飛び立った飛行機は無事に成田空港へ着きました。これでこの旅行も終わり。無地に行って帰って来れたことが何よりです。最高の思い出になりました。ハンガリーのブダペストに行けなかったのが心残りなので、次の機会には絶対に訪れたい。その際もGRⅢ/GRⅢxを持っていくか、それとも別のカメラを持っていくか、どっちか分からないけれど、きっとカメラは持っていくんだろうと思います。ではまた。Harushikaでした。
この旅行に持って行ったガジェットを紹介しました。
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