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暑さが早すぎる
4月期のドラマも折り返しの時期。
桜がなかなか咲かないなどと思っていたのも束の間、今年も、早くも暑くなってきました。
このクールは、毎朝の「虎に翼」に加え、「VRおじさんの初恋」と「アンメット」、「おいハンサム‼2」を楽しみにしています。
仮想現実(VR)において、女子高生姿で独り過ごすのが、唯一の楽しみである孤独な中年男性が、仮想現実で出会い、初恋をした美女は、現実世界では孤独なおじいちゃんだった。
今書いてみても、設定だけ読むとかなりのキワモノ感がある「VRおじさんの初恋」だが、ふたを開けたてみたら、ど真ん中の人間ドラマだった。
現実とは別の世界で別の人物になる。
その別の世界での出来事が、自身の変化となり現実の世界にも影響を与えていく。
よく考えたら、こういう設定はファンタジーの王道だ。
けれど映像作品だからこそ見せられる、年齢も性別も現実とは違うアバターたちによるVR世界と、現実の世界の、全く別物感はこれまでになく新鮮。
どちらの世界でも、登場人物たちの心情が丁寧に描かれているので、結果、映像的には新しいのに、ど真ん中の人間ドラマになっている気がする。
二つの世界がぐちゃぐちゃに混じり合った結果、主人公たちにどんな変化が起きるのか。まもなくの最後まで見届けたい。
もう1つが、記憶障害を抱える脳外科医とその周囲の人々を描いた「アンメット」。
記憶障害といっても色々あるが、今日のことも明日には全て忘れてしまうというこの記憶障害はなかなか厳しい。
この設定で脳外科医として働く、しかも手術するなんて、現実的にあり得ないと思うのだが、杉咲花が演じると、ありえなさそうなこの主人公の毎日も、成立するように思えてしまう。
それが、杉咲花という俳優の凄いところだと思う。
一話ごとに新たな患者さんが出てきて、治療して、というありがちな展開に陥らず、丁寧に描かれた人間ドラマなのだが、主人公がなぜ記憶障害になったのかというミステリーの要素もあり、密度の高い物語になっていると感じる。
三瓶先生との関係も含め、今後も目が離せない。
最後にもう1つ、昭和の香り漂う父親と、すべてをおおらかに包み込む母親、個性豊かな三姉妹が繰り広げるコメディなのに、最後は「いいこと言うな」と妙に納得させられるホームドラマの「おいハンサム‼2」。
父親に漂うのは、あくまで昭和の「香り」だけで、考え方や価値観は見事に令和にアップデートされている。
観たことはないけれど、昭和のコメディたっぷりのホームドラマを、その良さを残しつつ、令和に持ってきたらこんな感じなのかなと思っている。
見事にはっちゃけている三姉妹もいいが、個人的には家族で一番「普通」に見えて、家族の要であるお母さんがいい味を出していると思う。
本人のパブリックイメージとはガラリと異なる役を、素の自分をここまで出さずに演じ切っているMEGUMIはなかなかすごい。
長くシリーズとして続けてほしい作品だ。
最後までじっくり観たい作品が並んでいるから、夏はまだ先でいいんだけどな・・・。
*この記事は俳優さんの敬称略にて失礼しました。