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【書評】2021/8/10〜15

『超入門カーボンニュートラル』
SDGsで有名な夫馬さんの本。この情報量にも関わらず「超入門」と言うあたり、聡明で謙虚な夫馬さんらしい。

「温暖化はCO2の増加が原因では無い派」や「環境破壊は全て資本主義のせいなので地球全体的に社会主義にしよう派」などを完全に論破していて清々しい。

「オールド資本主義がNGであり、目指すべきはニュー資本主義である」という思想も自分と近いので納得しやすかった。

「デカップリング」を推奨していて、技術革新によってカーボンニュートラルが実現できることを、これもまたデータを参照して異論の余地無い感じで解説してくれている。

※デカップリングとは、一定の経済成長や便利さを維持しつつも、エネルギー消費を減らしていく、即ち両者を「切り離す」という考え方。
 例えば、資源の再利用・循環利用を行う、エネルギー多消費の産業構造を改める、これまでにない手法・新技術で省エネすること。

『企画 〜「いい企画」なんて存在しない〜』
元フジテレビのプロデューサーで「逃走中」「ヌメロン」「有吉の夏休み」などを企画した人の著書。

あの神アニメ放送枠「ノイタミナ」も企画した天才な高瀬さんが、「「企画=アイデア」ではない。企画とは「決めること」である。」と言い、企画力とは?を、要素分解して、構造的に理解ができるように解説してくれている本。

企画者は、情報整理して計画的に物事を進める人、とうイメージがあったけど全然違うと思わされた。(それはただの作業者…)

日々の大量インプット→人の感情に即した事象の結び付け→やらないことを決める→周りを頼り・巻き込み→世の中に出すまで根性でやり切る人、が正しかった。

伝わる企画・進む企画の特徴についても解説してくれていて、今すぐ使えるテクニックもたくさんあって良かった。

『ソニー再生』
社長就任時、過去最大4,500億円の赤字だったソニー。そこから黒字化を成し遂げた前・社長の平井さんの最新自叙伝。

子会社含めいくつもの組織を再生させてきた平井さんのやり方は一貫していて、

1、ほぼ全社員と1on1をして話を聞く(飛行機で自ら全世界に飛んで行ってでも聞く)
2、方針を決めて、自ら説明する
3、切るところは絶対に切る(事業売却・撤退、リストラ、コストカット)

この3つだけ。

自分はカリスマではない・ピンチの時に活躍するタイプと常に豪語していて、再生が終わったソニーから離れて、これからは「教育改革」をやるらしい。

どちらかと言うと、こんな平井さんが課題しかない日本の教育をどう変えるのか興味が湧きまくった1冊。