READYFORを退職しました
このたび、2023年11月を持って、4年10ヶ月働いたREADYFORを退職することになりました。
長いようで短かった約5年間、本当に本当に多くのことを経験させていただいた、自分の社会人人生で忘れられない期間となりました。
このnoteでは退職に寄せて、自分の想いを書き記しておければと思います。
READYFORとの出会い
こちらのnoteでも入社エントリを書いてるのですが、きっかけは複数の偶然が重なったことでした。
前々職のTIA時代の業務でREADYFORのシリーズAの調達リリースを見て、心を動かされた
学生インターン時代の上司が、たまたまREADYFORの投資先担当に転職されており、転職を考えるタイミングで紹介を受けた
↑のようなご縁から、CEOの米良さんと面接をさせていただき意気投合し、あれよあれよと内定まで進み、「CEO室」という何でも屋さんポジショニングを新設いただき、入社しました。
READYFORでの日々の振り返り
全部書くと沢山なので思い出に残ってる仕事たちを。(それでも長い)
2019: 中長期計画策定、READYFOR SDGs Conference、オフィス移転
・中長期計画策定PJ
入社後すぐに、READYFOR2030という中長期戦略を検討に参加させていただきました。そこで、元コンサルのスーパー上司中山さんから社会人基礎を叩き込んでいただき、議事録の書き方、リサーチ・インタビューの仕方、会議の進行、プロジェクトマネジメントという一連のスキルを学びました。以降READYFORにおいて「堤といえばプロマネ」と言われるまで一定極めることができたのも笑、このプロジェクトのおかげです。
毎日リサーチ、インタビュー、経営陣とのディスカッションを繰り返し仮説がどんどん進化していく過程を見ながらワクワクしつつ、自分がもっと成長したい、READYFORに貢献したいと強く想った記憶があります。
そして5年たった今、確実に当時の中長期PJで検討した方向性に会社も事業も成長していることが本当に感慨深いなと、しみじみしてます。
・READYFOR SDGs Conference
当時、クラウドファンディングに次ぐ新規事業として「READYFOR SDGs」(現在は新規募集は終了)をローンチしようとしていました。
READYFOR SDGsはREADYFORでクラウドファンディングをする実行者に対して、法人企業様が自社が掲げるSDGsの目標に合致するテーマの場合、マッチングギフトという形で、団体が独自で集めたクラウドファンディング金額と同額を支援する仕組みでした。
当時、SDGsが企業の中で注目される中で、SDGsに貢献する取り組みとして、企業が非営利団体やソーシャルスタートアップと繋がり、応援するマッチングができないかと考えていました。
しかしREADYFORはこれまでNPOや個人、中小企業が実行者としてクラウドファンディングをするプラットフォームを運営してきたので、企業のみなさまとの繋がりがほとんどありませんでした。
事業を立ち上げていくにあたり、多くの企業様と接点が持てないか?そのために実施したのがREADYFOR SDGs Conferenceでした。
私がプロジェクトリーダーとして初めて取り組んだプロジェクトでもありました。1社目でもカンファレンスの運営をしたことがあったので肌感はあったものの、自分が責任者としてやるのは初めて。戦友である広報の大久保さんと一緒にカンファレンスのコンセプトから登壇者、大企業やメディアの集客、当日の運営などを外部のパートナー企業さんと夜まで考え、何度もブラッシュアップを重ねました。
結果としてREADYFORとしては初めてのカンファレンス開催でしたが、非常に多くの方に来場いただき企業様とも接点を持つことができ、その後のREADYFORの別の取り組みでご一緒させていただく企業さまにも出会えました。
・オフィス移転、リブランディングプロジェクト
READYFORのロゴやサービスのUIリニューアル、オフィス移転など、外から見えるREADYFORの様々なものがアップデートするタイミングで、オフィス移転パーティーの企画や社内の制作物(名刺、スライドテンプレ、封筒などなど)の刷新を担当しました。
オフィス移転パーティーはこれまでREADYFORがお世話になった多方面の方に来場いただいて、とても素敵な新オフィスもお披露目できて楽しかったなあ。
2020: コロナ基金立ち上げに奔走
READYFORで関わった仕事の中で、最も大変で、でもそれ以上に幸せで、嬉しかった、最高のプロジェクトでした。
2020年の3月頃、日本でも新型コロナウイルス感染症が拡大しつつある中で、米良さんとREADYFORで何ができるかをディスカッションする中で生まれた「基金」を立ち上げるというアイデア。
READYFORは従来クラウドファンディングプラットフォームを通じて、団体がそれぞれの活動資金の支援を集めることをサポートする立場でしたが、当時は活動団体が新型コロナウイルス感染症の影響による緊急支援に奔走している状態でした。そこでREADYFORで代わりに資金を集めて、必要な団体に分配できないか?と考えたのです。
3月の末の週に、国内外の基金のリサーチを急ぎ始め、100個以上の基金の例からニーズやどんな基金が日本において必要そうかを確認しました。READYFORとして経験が無い中、でも、社会が絶対に必要としていると思い実現に向けて動くことを米良さんと合意しました。
(裏話として、最初20個ほど調べて持っていったら米良さんに「100個以上調べて納得するものを考えよう」とフィードバックをいただき、死にものぐるいで調べました笑 それ以後、何かやるときは徹底的に調べることが基本スタンスとなりました)
「いつ基金はリリースしましょう?」と米良さんに話すと、「一刻もはやく必要だから、1週間後にしよう!来週の金曜で!」と言われ焦りまくってましたが、そこから本当に多くの方の協力を経て1週間でリリースすることができました。そこまでREADYFORが培ってきた実績や繋がり、社内の各部署の皆さんと高速で連携できたことが産んだ奇跡だなと今でも思っています。
政府が初の緊急事態宣言を出す前にリリースした基金は多くのメディアに取り上げていただき、スポーツ選手の支援やファンへの呼びかけなどで拡がったり、コンサートの収益や商品の売上の一部で支援してくださったり、SDGsカンファレンスで繋がった法人様からの支援など多様な形での支援をいただきました。
支援の募集と同時に助成先の団体の募集〜審査〜助成も行いました。支援募集開始後13日で第1弾の助成をできたのは、いまでもとんでもないなど思うスピード感ですが、新型コロナウイルス感染症の専門家の皆様と審査を進め、スピード感を持って支援が必要な団体に届けられたことは本当に良かったです。改めて、当時関わっていた全てのみなさま、ありがとうございます&お疲れ様です。
多くの反響をいただいたコロナ基金、何よりも嬉しかったのは、日々の支援者の皆様からの応援コメントや助成団体の皆様からいただく感謝の声でした。
当時は本当に朝から晩まで文字通り働き、辛いことも苦しいこともありましたが、毎日応援コメントや助成団体のコメントを読んで、沢山のエネルギーをもらいながら駆け抜けていました。
きっと、READYFORでクラウドファンディングをする方も支援を集めながら、大きなエネルギーを貰っているんだろうな、と実感できた経験でもありました。
2021: 継続寄付立ち上げ
コロナ基金やコロナ拡大に伴う複数プロジェクトを経験した後、2021年は新規事業「継続寄付事業」の立ち上げに取り組みました。
2022年2月にリリースされた「READYFOR 継続寄付」、実はREADYFORが過去に一度挑戦し、クローズした歴史がありました。
クローズしたときから数年が経ち、コロナの影響で、それまでよりもずっと多くの業界の企業や団体様にクラウドファンディングが活用いただけるようになっていました。また使われ方としても一度きりのクラウドファンディングで終わらずに、毎年継続して活用される事例も増えてきていました。
その中で「継続的な支援を集めて、団体の活動資金にあてたい」というお声をいただくことも増えていました。
もともとREADYFORとしてはクラウドファンディングを起点として団体の継続的な資金調達の支援をしたいという想いもあったので、2021年に再度、継続寄付を立ち上げる意思決定がされました。そしてそこに私が挑戦することになったのです。
2021年3月に新規事業立ち上げのためのプロジェクトが立ち上がり、PdMの大山さんとPMMの大原さんとの3人組でのディスカッションがスタートしました。
私にとっての始めての新しいプロダクトの立ち上げ&プロダクトチームのメンバーとの仕事に、最初はお互いの考えや進め方を擦り合わせるところからのスタートでした。当時はハードな議論を沢山した記憶がありますが笑、お互いが納得するところまで議論できたことでその後もリリースまで走り抜けることができたのだろうなと思います。
プロダクトの議論に合わせて、事業計画策定、β版ターゲット顧客へのヒアリング、オペレーション検討、メンバー採用なども同時に走らせながら、まだないサービスをどう立ち上げるかを試行錯誤していました。
(ちなみに当時は、クラウドファンディング事業部の1部門も兼任していたので、事業目標を追いながら、新しい取り組みもやるバランスが難しかったなあと思います。もっと上手くやれただろうなと)
プロダクトのβ版がリリースできるのが11月頃というのはプロジェクト初期の時点である程度決まっていたので、それまでにビジネスサイドの営業〜顧客開拓〜オペレーション構築&対応人材採用・登用を進め、11/24にβ版をリリースしました。
新規事業といいつつ、β版時点でも社内の多くのメンバーに力を借りました。プロダクトチームはもちろん、事業企画メンバーにダッシュボードやオペレーション一緒に作ってもらったり、キュレーターのメンバーに継続寄付の伴走支援をクラウドファンディングの実行者に加えてやってもらったり、法務・レビューチームに継続寄付の規約、レビュー要件を作って運用してもらったり、サポートチームに継続寄付の問い合わせ対応をしてもらったり、継続寄付に関心がありそうなお客様をクラウドファンディング事業部のメンバーに繋いでもらったり、、自分1人で出来ることの少なさを実感すると共に、当時業務範囲でも業務範囲外でも関わって下さった皆さんのおかげで無事スタートラインに立てました。
その後、β版での反響や成果を踏まえてアップデートをし(詳細は割愛)、2022/2に本リリースを迎えました。当初想定した計画通り、とはいきませんでしたが、想像していたクラウドファンディング→継続寄付とREADYFORで一貫して取り組んでいただける団体さまや、クラウドファンディング時から継続寄付もみすえてファンドレイジングをされる団体様なども生まれてました。今では数百の団体さまにご利用いただけており、今後も多くの団体さまの力になれるサービスとして大きくなっていけると良いなと思っています。
リリース前後で継続寄付チームとして入社してくれたメンバーのおかげもあって、新サービスがいまではクラウドファンディング事業部との連携も強化できるくらいまでになったのは嬉しい思い出です。一緒に新しいチャレンジをしてくれた、継続寄付チームメンバー(山中さん、喜下さん、出口さん、福澤さん、下平さん)には感謝しかないです。
2022: クラウドファンディング事業部の営業組織へ
継続寄付をリリース後、2022年6月までは継続寄付をメインで担当していましたが、2022年7月からは入社以来初のCEO室所属から離れ、クラウドファンディングの事業部に異動し、READYFORのメイン事業にがっつり関わることになりました。そして上長も米良さんからCOOの樋浦さんに変わりました。
異動した後、私のミッションは、営業(商談〜受注)に関連するチームの数字達成にコミットすることになりました。
ただ、自分は営業出身の人間でもないので、営業を教えるということはできない。そんな中でどうしたら皆の目標が達成できるか、どうしたらそれぞれのチームが上手く連携して成果に繋がれるかを日々悩み、試行錯誤しながらヨミ会をしたり、目標をアップデートしたりと様々なことに取り組みました。(内部のことが多いので詳細は割愛します)
結果として少しずつ成果が出た箇所もいくつかあり、目標達成に向けて自分がやれたことも多少あったのかなと思ってます。
毎月の目標を達成しにいくために月末にスパートをかけて、そしてまた次の日には目標がやってくる。当たり前だけどそれをやり続ける難しさを自分も立ち向かう中で痛感しました。そしてそこに向き合っている全営業の皆様を、本当に尊敬して止みません。
2023: お休みと復帰、事業計画づくり、3カ年計画
入社してからずっと走り続けてきて4年、徐々に溜まってきた疲労やプレッシャーなどが重なり、2023年2月にメンタル不調を感じ、3週間ほどのお休みをいただきました。
年明け頃から、毎日定時で働くだけで起き上がれないほどのだるさを感じたり、不眠の症状が出たりしていました。ネガティブ思考が頭を支配し、目標達成できないと自分に価値がないのでは?と不安と自責が絶えない、そんな日々を過ごしてたある日、ぷつんと糸が切れたように頑張れなくなってしまいました。
そこから様々な人に支えてもらい、社内のメンバーのみなさんにも業務を引き継ぎ、無事復帰することができました。当時、急な休みに対応していただいた営業チームの皆さん、人事の吉川さんに感謝しかないです。
復帰後は、事業企画に異動し、事業計画づくりのプロジェクト、3カ年計画(途中まで)を担当しました。
事業企画としてフロントから少し離れ、各部門の部長と二人三脚で数字を詰めていく経験や、全体のPLやKPI構造と改めて向き合う経験、VPの皆様と将来を描くディスカッションなどを通じて、今までとは違う景色も見えましたし、自分の強み、弱みと高めるべきスキルにも気づくことができました。
READYFORで学んだ3つのこと
約5年の中で学んだことは計り知れないのですが、特に自分の仕事をする上での指針となっている3つをここに記しておければと思います。
量にコミットし、迷ったらまずユーザーの声を聞く(from米良さん)
仕事の振り返りでも書いていますが、READYFORでのキャリアの多くの時間は米良さんと共に過ごしました。成功したプロジェクトも、失敗したプロジェクトもありましたが、米良さんには何かを始めるときに自分がインプットすべき量や質について体感を持って学ばせてもらいました。
自分が納得できるものをつくるためにはそれ相応のリサーチが必要、一方でデスクトップリサーチだけでなく、実際の声を聞きに行くのも同じくらい重要で、うまく行ってないときはだいたいどちらかが足りない。と良く1on1でフィードバックを受けていました。
リサーチとヒアリングは経験が物を言う世界だと思いますが、米良さんが人を巻き込みながら、2つを高速に回すことで圧倒的なスピードで物事を動かし、具現化していく様を隣で見れたことは何よりの財産です。
2.徹底的にこだわる、想いを込める(fromなみさん)
なみさんは、わたしの戦友であり、クラウドファンディング事業部の大エースです。(最近話題となった国立科学博物館の7億円のクラウドファンディングプロジェクトにも関わっていた人です。)
なみさんとは仕事の振り返りでも書いた、コロナ基金で一緒にプロジェクトページから広報までを考えたのが、がっつり仕事をした初めてのタイミングでした。クリエイティブ〜メッセージから全てにおいて、自分にそのプロジェクトで伝えるべき想いを憑依させて生み出す、その圧倒的な執着に常に刺激をもらってました。
またアウトプットに拘るだけではなく、全ての仕事に熱量を半端なく注いでいて、想いの乗った仕事をしてる姿にいつも負けられないなと思ってました。
数年働いていると自分の中での仕事のスタンダードが生まれることもあると想いますが、私はいつも「このクオリティで良いのか?なみさんのように考え抜いたか?想い乗せてるか?」と自問自答して自分を奮い立たせてました。そして、きっとこれからもそうするとおもいます。
3.「目的は何か?」「あるべきは何か」から常に考える(from樋浦さん)
READYFORキャリアの後半でお世話になったCOO樋浦さんは、とにかく天才的な思考力であらゆる物事を整理し、構造化し、複雑な取り組みが社内で沢山ある中で、日々意思決定をしていました。
私とのMTGでも、他のメンバーとのMTGでも常に問うのは「このプロジェクトの目的と得たい成果は何か?」ということで、どうしてもHowや各論に走ってしまいがちな時に、原点に立ち返る習慣を身につけさせてもらいました。(とはいえ、今も難しいですが)
また、自分がREADYFORの後半の仕事で大きく思考の変化がおきた点として、「課題を解く→あるべきを描く」に視点が変わったことがありました。
スタートアップで働いていると、どのフェーズだとしても常に課題だらけだと思います。課題だらけな中でも、その課題を解くだけでなく、その課題から今にとらわれず理想を描いて実現していく、そのプロセスこそが仕事の醍醐味かつ楽しいことなんだなと、最後の方になってわかってきました。
米良さん時代からフィードバックいただいてたことですが、樋浦さん時代に学んだ「目的を考えぬく」を実践することでよりシャープなあるべきを考えられるようになった気がします。
改めて感謝
ここまで長文を読んで頂いた皆さん、本当にありがとうございました。
自分は生まれ変わっても、またREADYFORで働く決断をする!と自信を持って言えるくらい大好きな会社です。
間違いなく社会を良い方向に導くREADYFORをこれからも外から応援していきます&また人生のどこかでREADYFORに貢献できる人になりたいと思ってます!
READYFORのみなさまはこれからも引き続き仲良くして下さい😊
おまけ:これからについて
実はすでに12月から、AIメンタルヘルススタートアップのAwarefyで働いています。READYFORと同じインパクトスタートアップなので、引き続きインパクトスタートアップキャリアを歩んでいきます。
詳細は改めて入社エントリを書ければと思ってますが、自分が休みの時に救ってくれたtoC向けアプリを活かして法人向け事業の立ち上げを担当していく予定です。
スタートアップで働く人がインパクトを出し続けるために、自分の心を守り強くするサービス(AIアプリを活用した研修プログラムや、会社のメンタルヘルス体制強化支援)を構想中です。
↑の領域に少しでも興味がある方はもちろん、久しぶりのキャッチアップ、ご挨拶させていただける方も12月は沢山お会いしていきたいのでぜひお声がけ下さい!
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