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模倣は創造の原点
今だに印象的に残っている言葉だ。
10代終わりから20代前半の頃、音楽活動に夢中になっていた。たまたまバイト先で知り合った11歳年上の人との出会いは強烈だった。彼もバンドをやっていて同じギターだった。なぜか不思議なことにそのバイト先には同じ世代のバイト仲間が10人ぐらいいたのだが、そのうちの7人ぐらいがみんなバンドをやっていてそれもみんなギターだった。バイト先は音楽とは程遠い人形町の反物屋なのだけれど今考えてもあの時の出会いはすごかった。だからすぐにみんな意気投合しバイト先にそれぞれギターを持ってきては休憩時間に弾きあった。
その中でも11歳の年上の彼はみんなにとって憧れの存在だった。ほぼプロ並みの腕で音楽1本だけではまだ食べられるほどではなかったのでバイトをしていたのだが、ライブや誰かのレコーディングなどあるとそちらを優先するからバイトは休む。時給制だから休むとその分給料が安くなるのだが全くお構いなし。他の人たちは僕を含めギターや機材を買いたいからバイトはがっちり稼ぎたい派。まずのその点からも音楽にかける情熱が圧倒的に違かった。
そんな彼が僕に色々教えてくれた。「このバンドはかっこいいから聴いた方がいいよ」とか「あのギターリストは超かっこいいから観てみなよ」とかカセットテープやライブビデオを貸してくれた。またギターに関しても音楽理論からかっこいいフレーズ、コピーの仕方やアドリブの知識まで教えてくれた。それで自分の音楽の世界がかなり広がりギターの楽しさ、かっこよさなどの魅力にどんどんハマっていった。
僕は生意気にもバンドではオリジナル曲を作ってライブもやっていたのだが、新曲ができる度に彼にデモテープを聴いてもらっていた。アドバイスを聞きたかったのだ。そのアドバイスはいつもたくさんの発見があった。僕には全く想像できない発想だったりアイディアをくれるので貴重なのだ。
たまに彼に「この曲誰々のなになにに似ていない?」なんて指摘されることもあった。図星だった。パクリまではいかないが、どうしてもあの頃は好きなアーティストばかり1日中ずーっと聴いているのでモロ影響を受けていて、作曲するとどうしても似たり寄ったりの曲に仕上がってしまう。オリジナリティがないのだ。
でもそこで彼から言われた言葉が今でも強く残る。
模倣は想像の原点だからなぁ〜
なにそれ!?なんかよく分からないけどかっけぇ〜!
僕は今もそう変わらないけど、言葉を全く知らなかったので意味も全然分からなかった。すぐに彼が教えてくれたのだが、「なるほど!」と強く納得した。
何事もマネごとから入る。どの世界でも共通していえる言葉だ。勉強でも仕事でもスポーツでも趣味でも、なんでも最初は誰かをお手本に真似る。そして基礎を掴んだらそこから少しずつ個性を出していく。まれに最初から自分流をだし頭角を現す人もいるがそういう人は一握り。
この言葉は20歳前後の時に教えてもらった言葉だが、51歳になった今でも大事な大切な言葉となっている。