![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/133546628/rectangle_large_type_2_986f8d8d1193d16093e74b7828791ff4.png?width=1200)
生まれ育った場所
結婚してから、夫の地元で暮らしている私。
名字もかわり、通勤するのに遠いから職場も変わり、全く知らない街に越して来た。
大学も就職も生まれ育った街だったので、結婚して初めて、そこを離れた。
友達もいない、風景も知らない、病院も学校もヘアサロンもどこがよいのかなどよくわからない。
そんな中で、子育てもしなければならない。
何年かかけて、少しずつママ友ができたり、地域情報にも詳しくなり。
もうこの街の人間になれたな、と思う。
でも。久々に先日、自分が生まれ育った街に帰ったら。
やっぱり私が落ち着くのはこっちだな…と思ってしまう。
生まれ育った街は、割と都会で便利な地域で。
今住んでる街は、別に山の中とかではないけど、どっちかというと少し田舎。
そんな風景にも慣れたと思っていたけど。
でも、やっぱり生まれ育った街がいいなぁ…。
子供時代に通った学校、いつもお世話になった病院、いつも通った店、毎日乗ったバスや電車…思い出がいっぱい。この街のことならなんでもわかる。
ただ、私がこの街に戻ることは、たぶんない。
私にとっては、故郷がホームタウンだけど、子供にとっては、たぶん今住んでるところが一番落ち着くホームタウンに、もうなっているし。
夫に転勤の予定はないし。
私の親も高齢なので、そのうち「実家」もなくなるだろう。
そしたら、生まれ育った街に、「とまり木」みたいなところがなくなるし、帰る理由も無くなる。
結婚したりして、新しい街で暮らせば、慣れてそこを「居場所」と感じるようになれると思っていたけど。
やはりどこか、いつまでも違和感が残っている。
あと20年くらいしたら、さすがに今住んでるところを、居場所だと感じるようになるのだろうか?
いや、いつまでも、心は生まれ育った街に戻ってしまうように思う。
それでもいい。
「居場所」が増えたと思うことにしよう。
この街でも、行きつけの店を増やして。
この街でも、好きなことをして過ごして。
「失礼します」みたいな、お客さんみたいな顔ではなく、堂々と地元顔をしよう(笑)。
この不便で人が多くない、こじんまりとした街を、愛そう。