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暗いと怖くて、明るいと眩しい。幼児のような駄々をこねる私は、いつも恋人に愛想を尽かされる…
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朝がきたら、少しは楽になると思っていた。けどちっともそんなことはなくて、雨戸を開けて風…
泣くのを我慢していると、喉の奥がぐうっとなる。熱くて苦い塊が詰まって、そこから抜け出せ…
時々、無性に焦がれる。ほしくてほしくて溜まらないのに永遠に手に入らないものを、ただじっ…
波音を聞きながら、空の色が変わりゆくのをただ眺めている。頭のなかでひっきりなしにあらゆ…
「お前、面倒くさい」 「面倒くさいから、浮気したの?」 「そういう返答が面倒くさいんだよ」 つい昨夜まで恋人だった男は、捨て台詞を吐いて部屋を出ていった。荒い足音を立てるでもなく、怒鳴り散らすでも物に当たるでもなく。当たり前みたいに、この部屋からいなくなった。 彼の気持ちが冷めていくのを、毎日ただじっと見ていた。どうでもよかったからじゃない。どうしたらいいのかわからなかったからだ。引き留めたいと思ったし、気持ちが再びこちらに向いてくれるのを心から望んでいた。でもそのため
「もう切ろうか」 そう言うと、眠たげな声で「やだ」と駄々をこねる。子どもみたいな言い方…
繋がったイヤホンマイクから漏れ出す、規則正しい寝息。酔っ払ったときしかイビキをかかない…
パソコンのキーをカタカタと打つ手が、ふと止まった。頭にかかっている靄が、ごまかしきれない…